子どもの頃から脳を鍛えることは重要!
先生: うーん、だからといって右脳を鍛えることが、その人の能力をアップするかどうかは難しいところです。最近の研究では、(もともと生まれつきの)才能というものより、脳を子どものころからいかに鍛えるか、つまり後天的な環境のほうが重要であるとしています。ただ、どういう方法がもっともいいのかいまだに、結論は出ていません。ガイド: そうなんですか! では、いま巷に溢れている子どもの右脳開発教材を購入してやらせたからと言って、子どもの才能が開花するという単純な話ではないのですね。音楽やフラッシュカードなどなど、いろいろな「右脳開発」メソッドが喧伝されているけれども、「ベストな方法論」は未だにわからないと。でも、生まれつきの才能だけが全てを決めるわけではなく、努力の余地があるのだとわかって、ちょっと安心しました(笑)。
「能力」万能ではない。バランスが大事
先生: 最近の研究から得られた、もうひとつの結論は、ひとつのことに能力があっても、他のことでも秀でることはないということです。ガイド: 何かの能力があったからといって、それで万能だと思ってはいけないということですね。早期教育などで特殊能力の育成に力を注ぐケースがありますが、行き過ぎは禁物ですね……。
先生: ただ高収入を目指すという観点なら、自分だけの突出した能力を持つことは重要でしょう。
ガイド: 突出した能力を持ち、ひとつのことを追求してオリジナリティの高い仕事ができる一方で、やはりバランスの取れた人材であることが大事なんですね。 つきつめれば、脳の力は勿論のことながら、子どもには全人格的な教育が望ましいということでしょうか。先生、ありがとうございました。
――「右脳開発」という言葉に躍らされず、子どもには日常の暮らしの中でたっぷりの刺激を与えてあげることが、最も「脳にとっての栄養」なのだとか。一方で、成長した大人の脳もまた、刺激をたっぷり与えれば「再生」し、大人の脳でも伸びることがわかったそうです。まだまだ子育ての先は長いガイド河崎、『脳が若返る30の方法』を実践して、頭がサビ付かないようにしなければ!ベストセラーの米山先生の『脳』関連本、みなさんもぜひ書店でご覧下さい。
1952年山梨県生まれ。作家、医学博士。
専門は神経内科。聖マリアンナ医科大学第2内科助教授を98年2月に退職。診療を続けながら医療エッセイ、医学実用書、医学ミステリーなど幅広く著作活動や講演を行っている。現在まで著作は160冊を超える。主な著書に『脳が若返るメモする習慣』『こんなに違う!男の脳と女の脳』(中経出版)、『医学は科学ではない』(ちくま新書)、『脳を鍛えるプロの記憶術』(成美堂出版)、監修に『脳が若返る10秒脳トレ』(中経出版)。
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