優先席に座る子ども、これでいいの?

子どもは電車で立つべきなのか……。こんなマナー議論は日本だけ?
子どもにはどこまで優しく接していいのでしょう? 世の中、そんな明確な基準がないだけに快・不快の度合いも人によって異なります。子どもを我先にと電車の空席に座らせる親もいれば、座らず他の人のために空けなさいという親もあり……。

いまや、電車の優先席の表示には、お年寄りや体の不自由な人だけでなく、妊婦さんや小さな子ども連れも加わっています。果たして、小さい子どもとは、どれくらいまでなのか?まだ幼稚園くらいの、足の筋肉がそれほど発達していない子どもなら、揺れる車内で長時間立たせることは物理的に困難。そんな子どもに「疲れたー」と泣かれるくらいなら、静かに座らせておいたほうが周りにも迷惑がかからないと考える人もいるでしょう。

でも例えば優先席で一心不乱に携帯ゲーム機に興じる小学校低学年の子どもと、大きな買い物袋を提げてその傍に立っている母親を見て、「なぜ子どもが座っていて、母親が立っているのか?」と思う人もいるかもしれません。みなさんも電車の中で、それぞれの立場から「何だかこれっておかしいんじゃない?」と思った経験がありませんか。

子どもに厳しい欧米

そもそも、公共の交通機関で子どもをどうするかという話題は、日本特有のものと言えるかもしれません。欧米、特にヨーロッパでは大人と子どもの間には厳然とした区分けがあり、大人のパーティーやレストラン、美容院などの「大人の場所」に子どもを連れて行くことは、暗黙のうちに避けるべきとされています。

イギリス、フランスなどで特に有名なのは、かつての上流階級では子どもと大人が夕食を一緒に取らなかった、という話。「見るに耐えるまともな食事マナー」を身に着けるまでは、子どもは親との同席を許されなかったのだとか。そのような習慣を持つ国々では、いきおい公共の場でのしつけは厳しいものになります。

ドイツ在住の読者から頂いた投稿によれば、ヨーロッパでは、子どもが電車に乗るのは一般的。でも、子どもが優先席に座るというのは基本的に許されず、普通の席での高齢者がいたら、席を譲るものとされているとか。ヨーロッパでは他人の子でもよく叱り、その点でも日本とは違うなぁと感じられるそうです。

また、スイスでのビジネス経験のある方からは、
「路面電車で移動中に電停で老婆が乗って来ました。すると昇降口附近に座っていた鼻ピアス、鎖ジャラジャラのヘビメタ風若者がスーッと席を立って、その老婆を座らせました。それがなんとも自然ですがすがしく、この国の『教育』を肌で感じた瞬間でした」
と、日本とヨーロッパとの教育の違いを実感したエピソードが寄せられました。

アメリカでは少し様相が異なって、そもそもが車社会。鉄道や地下鉄は主に都市部に限られ、公共の交通機関は子どもを乗せるには危険な環境のものも多く、小さな子どもを見かけることはまれ。というわけで、子どもの交通手段は、まず自家用車なのです。

しかし、人種のるつぼだけあって、子どもたちのしつけは千差万別。むしろ、高級レストランなどに積極的に子どもを同伴する親もいて、ヨーロッパに比べると普段の生活はちょっと甘いところがあるかもしれません。ただ、アメリカは国土が広いので大都市間の交通手段として飛行機が一般的。飛行機の中で大騒ぎする子どもには、周りからも明確な「不快」の意思が伝えられ、おとなしく座っている子どもはちゃんと誉められます。


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