株式投信の純設定額は2009年10月には8ヶ月連続の流入増となり、公募投信全体の純資産残高は60兆円を越えました。これで2008年9月以来の60兆円回復となり、リーマンショック以前の水準にもどったことになります。この数字から投信販売は好調だと伝える報道も散見するようになりました。

投信への資金流入は販売好調を裏付ける?

 
それは日本の個人投資家が株価暴落の痛手から抜け出して、投資に意欲的な行動を取り出したサインと見る向きがあるからです。しかし、純設定が増えていると同時に解約額も増えているのです。解約(流出)も多いのですが、それを上回って設定(流入)が多いので、全体の純資産額は増えています。この両面を考え合わせると、一概に良い兆候とは言い切れません。

これに関して投資信託協会は、「運用会社が顧客のニーズにあった新しい商品を投入していることが背景の1つ。また、基準価額が回復した既存商品を投資家が売却し、今後伸びると思われる商品に乗り換えている動きがある」と指摘しています。

つまり、暴落から少し回復した保有商品を処分して、新しい商品に乗り換えた結果の純設定額の増加となって表れたといえるのです。なぜなら、2009年10月に新規設定された追加型株式ファンドは52本で、それらの10月末時点の純資産残高は10月の流入額を上回っているのです。資金流入が増えたのは新商品の投信ばかりで、既存の投信は解約や償還の方が断然に多かったと想像できます。
 

投信の保有期間が短期化している
 


購入にコストのかかる投資信託が短期間で売却され、新商品に乗り換えられている現状は、「販売好調」と手放しでは喜べないことです。むしろ、個人投資家が不安と迷いの中で証券会社からの乗換勧誘に反応する形で動き出したと考えることができます。

投資成果がかんばしくないときに、個人投資家は保有している商品に不満を感じ、新しい商品に魅力を持つという傾向があります。もちろん、新商品には投資家のニーズをとらえた魅力的な商品である場合もあるのですが、新商品が本当に良い投信か?乗換が妥当な投資行動であるか?は、非常にデリケートな問題です。個人投資家が合理的な判断をして乗換えているのか、ガイドはそこに疑問を感じています。
 

投信は長期保有のための商品!


基本的には、お金を使うときまでは解約をしないという慎重な姿勢の方が、投資家に今まではより大きな果実をもたらしてきたのも事実です。長期投資のスタンスで、良い投資信託をしっかり長期保有することが、結局は投資家の利益につながるということを、私はガイドとして皆さんに強くお伝えしたいと思います。

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