色々な世代を満足させる商品構成
ショーケースが点在している高級筆記具売場
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文具売場に入って、まず大きく構えられているのが、万年筆をはじめとする高級筆記具売場。こうした売場は概して、店内の奥の方にあるものだが、今回は前面にきている。
この万年筆売場で個人的にうれしく感じることがあった。それは、対面式のショーケースではなく、アイランド(島型)ショーケースになっていることだ。これはどういうことかと言うと、一般の高級筆記具売場ではショーケースを挟んで店員さんとお客さんが向かい合う形になることが多い。このスタイルだとユーザーの側からすると、ちょっと近づきがたく、敷居の高さを感じてしまう。ずっとショーケースを眺めていると、買わなくてはという気持になってしまい、落ち着いて見ていられない。
見やすいよう余裕を持ってペンが並べられている
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ショーケースをぐるりと一周すればペンを色んな角度から見ることができる。これもアイランド型の利点
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しかし、今回の売場では、各ブランドごとにショーケースが分けられ、一本一本がゆったりと並べられている。これなら、店員さんの視線を気にすることなく、思う存分眺めることができるという訳だ。
ちなみに、この丸善・ラゾーナ店の営業は、朝10:00~夜10:00まで。夜10:00まで営業している文具店というのは、かなり珍しいと思う。夜の時間帯ともなれば、仕事帰りの方の姿が多く、特にこの高級筆記具コーナーにたくさん集まるのだそうだ。
ズラリと並ぶ万年筆のインク
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ミディアムレンジの筆記具コーナー
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こちらの筆記具もゆとりを持って展示されている
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会社にお勤めの方が万年筆を買うとすれば、会社が休みの土日にゆっくりと、ということが多かったと思うが、この丸善ラゾーナ川崎店なら、土日を待たずとも平日に万年筆ショッピングを愉しむことができる。忙しい方にはうれしい存在だ。
また、日中は若い主婦の来店が多いそうだ。そうした方々に人気なのが、スクラップブッキングコーナー。日本でも年々盛り上がりを見せている。丸善ラゾーナ川崎店ではかなりのスペースを割いて、初心者からヘビーユーザーまで満足してもらえるたっぷりの品揃えを誇っている。
スクラップブッキングコーナー
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紙だけでも
これだけたくさんの品揃え |
売場の中ほどには、ひときわ色鮮やかなコーナーがあった。カジュアルステーショナリーコーナーだ。デルフォニックスやハイタイドをはじめとするステーショナリーが集められている。丸善というと、「大人の男性の文具店」という印象がとても強かったが、今回はそのイメージをいい意味で覆してくれる、それほどの充実ぶりだった。
カジュアルステーショナリーが充実
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ポスタルコのレザーケースをはじめ
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深澤直人氏デザインの「±0」のデザイン家電まで
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丸善は、書店・文具店というお店という顔だけでなく、メーカーとしての顔も持っている。古くは多くの文豪に愛用された原稿用紙をはじめ様々な文具があり、いまなお販売され続けているものもある。こうしたオリジナル文具は、お客様からの要望から生まれたものも多いと言う。そうした丸善のロングセラー文具をはじめ懐かしい文具を一箇所にまとめたコーナーがあった。創業137年という永い歴史を持つ丸善らしさがその商品ひとつひとつからとても感じられる。
丸善が誇るロングセラーのオリジナル文具を集めたコーナー
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表紙に帆布を張ったダックノート
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クラシカルな表紙が印象的な便箋
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