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靴の「底」について深く考えてみる その1(3ページ目)

今回から暫くの間、この「メンズシューズ基礎徹底講座」では靴に使われる「底」特にアウトソールの種類について解説致します。今回はまず、最も基本で原始的かつ、やっぱり一番普遍性の高いものから!

飯野 高広

執筆者:飯野 高広

靴ガイド

靴と履く人とで、相性は変わります!

オイルソール
個人的に大好きな、イギリス・クレイトン社製のオイルソールです。とにかくしなる! しかも雨に強い! 日本に限らず、最近は使っているメーカーが殆ど無いみたいですが、どこかでまた使って欲しいなぁ……


前のページで、「革質の選択も靴メーカーにより様々で、その着用感・着地感の違いを深く愉しめるのも魅力」と書きましたが、私のつたない経験から申し上げると、靴の種類や製法、それに履く人の好みで、全く同じ素材のものでも評価がガラッと変わってしまいがちなのが、レザーソールの「らしさ」なのだと感じています。なので、例えばオールソール交換等の際に、タンナー(鞣し業者)の知名度のみに囚われ過ぎて素材を選ぶのは、気持ちは物凄く理解できるものの、最善の策とも限らない気もするのです。丁度車のタイヤを選ぶのに似ていて、靴自体の使い方次第でその特性を十二分に活かす事もできれば、むしろ靴の特性に邪魔をしてしまう事もあると思いますから。

それを承知の上で敢えて個人的な話をさせていただくと、これまでで「私の足と相性がイイ!」と最も思わせてくれたレザーソールは、今から約20年前、1990年代初めに購入したSCOTCH GRAINの靴に付いていた、イギリス・クレイトン(Clayton)製のオイルソールです。このブランドの当時の上級グレードについていたソールで、「曲がる・しなる」の感覚が自らの歩き癖と見事に一致してしまっただけでなく、浸み込ませている成分の影響なのか雨天時に履いても全くスリップを起こさないのです。レンデンバッハやバーカーのものも確かに非常に素晴らしいのですが、私にレザーソールの履きやすさ、そして楽しさを一番素直に教えてくれたのは、間違いなくこれです。

SCOTCH GRAINはその当時から、アッパーに関しては価格に比べ用いる革が良質な点で評価が高かった一方で、ソールに関しては何気ないながらも進取の精神を持った素材を使い続けてくれていて、オイルソールはその象徴的存在だったのかもしれません。因みにこのクレイトン社、前頁でちょっとだけ触れた「コンビ鞣しのレザーソール」を製造している数少ないメーカーで、現在では鞄好きが憧れるブライドルレザーの製造元の一つでもあります。このオイルソールに限らず、近年はこのタンナー製のレザーソール自体が我が国には殆ど入って来ていないようですが、どこかの靴メーカーでまた使ってくれないかなぁ……

あ、思いっきり脱線してしまった! レザーソールについてはもう少し詳しく解説したいものの、ちょっと長くなりそうなので、続きは次回にさせて下さい。靴を長持ちさせたい人がどうすべきか必ずぶつかる「あの疑問」にも、私なりの解決案を提案してみたいと思いますので!



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