軽さと足あたりに優れたアンラインド!
三陽山長の新作・外羽根式Vフロントプレーントウの「柔一郎」です。アッパーの色とステッチや底部の色との対比が見事! 木型は大定番の「R201」のDウィズ盤です。 |
続いてご紹介するのは、アッパーにスエードを用いた外羽根式Vフロントプレーントウの「柔一郎」と、ローファーの「弥之介」です。「柔一郎」は三陽山長の定番木型「R201」を用いて、やや落ち着いた表情を出した一方で、「弥之介」にはロングノーズで細身なスクエアトウ木型「R309」を採用することで、若々しく現代的な印象を与えているのが特徴です。ただ、両者は顔立ちこそ対照的であれ、靴の構造は共に時流を的確に捉えたものになっています。
この2足はいずれも内側にライニングの貼られていない、所謂アンラインド仕様なのです。近年ではビジネス用のジャケットでも軽さと柔らかさを追求すべく、それまであくまでカジュアル用と見なされてきた、芯地を最低限しか用いない「アンコンストラクション(通称アンコン)仕立て」のものが増えてきていますが、要はそれと同じ発想です。ただしつま先の「先芯」とかかとの「月型芯」は敢えて付けているので、足あたりはすこぶるソフトなものの、靴の形状は必要以上にだらけないように工夫されているのがミソです。
因みに「柔一郎」に使われている「R201」木型は、通常より一回り細いDウィズとすることで、スマートさを強調するだけでなく、足への密着度を無理なく向上させています。またアンラインド仕様であるだけに、用いるアッパーには「柔らかく、かつ丈夫」なる高度な条件が求められた結果、起毛素材では昔も今も定評のあるイギリス・C.F.ステッド社製のものが採用されました。更に柔らかなアッパーとの相性を考え、底付けは確信犯でカエリの良いマッケイ製法とし、しかも前半分には薄いラバーを張ることで、これからの時季に多くなる不意の雨にも対応できるようにしてあるのも特徴です。
どの色のものも、アッパーとステッチ・靴紐・底部との濃淡のコントラストが絶妙なので、休日には勿論のこと、ご職業によっては
「飯野はスエードはカジュアル用だって言い張るだろうけど(笑)、私ならこれ、仕事にも使えます!」
と言う方もいらして当然でしょう。いずれにしても、ウール以上に綿や麻の、それこそアンコン仕様のジャケットとの相性が最適のような気がしますよ。なお、「弥之介」にはSANYO iStoreのみの取り扱いで、アッパーにフランス・デュプイ社製のスエードを採用した限定バージョンもありますので、こちらにもご注目あれ!
【三陽山長/柔一郎】
■色・素材 : 黒・ダークブラウン・ブラウン(全てイギリス・C.F.ステッド社製スエード)
■木型 : R201-D
■製法 : マッケイ
■サイズ : 6 1/2~9
■価格 : \48,300(税込み)
【三陽山長/弥之介】
■色・素材 : 黒・チェスナットブラウン・ブラウン(全てイギリス・C.F.ステッド社製スエード)、
■SANYO iStore 限定バージョン色・素材 : 紺・ダークブラウン(共にフランス・デュプイ社製スエード)
■木型 : R309
■製法 : マッケイ
■サイズ : 6 1/2~9(SANYO iStore限定バージョンは8 1/2まで)
■価格 : \48,300(税込み)
「柔一郎」のかかと部周辺です。アンラインド仕様でありながら、月型芯が入ることでかかとのホールド感は十分保持されています。上から2つ目のステッチも、単なる飾りではなく靴全体のシェイプの維持に一役買っている、技ありの意匠です。 |
こちらはローファーの「弥之介」です。シャープなスクエアトウ「R309」木型を採用しているお陰で、「柔一郎」に比べると若々しい印象に仕上がっています。休日なら素足に履いてもいいかも? |
三陽山長は、純粋なカジュアルシューズも手を抜いていません。詳しくは最後のページへ!