20「0何年」を振り返ります!
丁度今から10年前の1999年の冬、銀座のロイドフットウェアで購入したマスターロイドの内羽根式セミブローグ・バークレーです。嬉しいことにこのモデルは現在でも購入可能。10年以上作り続けてくれる靴は、今では本当に貴重になりました。 |
皆さんご承知の通り間もなく2009年が終わり、2010年が始まろうとしています。つまり20「0何年」と呼ばれる一つの帯の節目を迎えることになるわけです。思い出してみると、今から丁度10年前の1999年と言えば、小生もまだとある重厚長大産業の巨大な工場で操業管理みたいなことをやっていて、
「Y2K問題、ウチの会社は無事乗り越えられるかなぁ……」
なんてヤキモキしていたのでした。それが今ではこのように皆さんに記事をお届けしている身分なのですから、10年過ぎるのは早かったなぁ!
そこで、今回と次回の2回に分けて、半ば無理矢理ではありますが、紳士靴の世界における「西暦2000年から」を軽く振り返ってみて、この10年でどう変化してしまったのかを、小生なりに総括してみたいと思います。纏め易くするためもありあり、一応国別に綴ってまいりますが、
正直この10年で、製造国による紳士靴の特徴が、それ以前に比べ大分薄れてきている
というのが、全体的な率直な印象でして、10年後に同様のことを再度行うとしたら、この分け方はもはや意味を成さないかも知れません。それは丁度、どれもこれもが既製品だとクラシコイタリアっぽくなってしまったスーツやジャケットの世界と同じような現象に感じます。個性化と言う名の同質化の典型。つまーんないのっー!
小生が思っていることをつらつらと書いてまいりますので、ファッションの世界ではあってはならないことになっている批判めいた表現も、中には出てくるかも知れません。でもそれも、各製作者に頑張ってほしいからこその叱咤激励なのだと思っていただけるとあり難いです。ガミガミ言うおっさん、大して影響力もないのでこの世界に一人くらい居てもいいよね!
最初に俎上に上るのはどこの国の靴? 次のページでご確認下さいませ!