男の靴・スニーカー/ドレスシューズ

内容が一層充実したShetland Fox(2ページ目)

2009年の春に完全復活を遂げたShetland Fox。この秋には新たなシリーズが加わると共に、既存のシリーズにも新作が幾つも登場しています。日本人の足と嗜好を徹底追及した最新版、とくとご覧あれ!

飯野 高広

執筆者:飯野 高広

靴ガイド

ブーツにすると、美しさがいっそう際立ちます!

KNIGHTSBRIDGE・チャッカブーツ"
Shetland Fox・KNIGHTSBRIDGEシリーズに新登場した2穴チャッカブーツです。都会的な表情が前面に出てくるブーツですが、古典的な美しさもしっかり残っています。ご職業次第ではスーツに合わせても大丈夫でしょう。


このブランドでは最もスタイリッシュと申せるKNIGHTSBRIDGEシリーズには、この秋からブーツが加わりました。今年の春、このシリーズのシューズ(短靴)を初めて目にした際に、「これはブーツにすると、より個性が綺麗に出せる木型かも知れない」と感じていたのですが、いざ実物を目にすると、想像を遥かに超えた完成度に目を奪われました。つま先から甲にかけての、まるで万年筆のペン先のように水平な造形が、ブーツであるが故に持つくるぶしの「丈」の垂直性と、見事なコントラストを描いているのです。

以前もお話しした通りこのシリーズは、トウシェイプなどの造形は一見極めて現代的・都会的でありながら、各ディテールのデザインは正に定石通りで悪い意味での「遊び」を全く感じさせず、両者が不思議な調和を醸し出しているのが特徴です。ブーツになってもこの路線がきちんと強襲されているだけでなく、その協調性が「高さ」のある分、より立体的に表現できるようになった気がします。合わせる服のジャンルであれ履く足の形状であれ、見た目に比べて遥かに「受け皿」の広い靴である点において、ブーツとすることで一層磨きが掛かったのは間違いありません。

アッパーの素材はフランス・アノネイ社のボカルーカーフが引き続きメインですが、サイドゴアブーツにはスエード、それも色感の繊細さで近年その名を漸く知られるようになったイタリアの実力派・シャラーダ社の「カステリーノスエード」を採用しました。このシリーズは都会的であれ古典的であれ鈍く光るような、なんとなくモノクローム的な雰囲気を持ち合わせているので、アッパーの種類がどれであっても冬の鉛色の空に自然と溶け込みます。濃色のタートルネックのセーターを様々な服に合わせるのと同様な感覚で身に付けると、寒い季節には大活躍できるブーツだと思いますよ!

【Shetland Fox/KNIGHTSBRIDGEシリーズ・ブーツ】
■スタイル : A. 2穴チャッカブーツ、B. ジョッパーブーツ、C. サイドゴアブーツ
■色 : ブラック(A・B)、バーガンディ(Aのみ)、ダークブラウン(Bのみ)、ブラックスエード(Cのみ)、ダークブラウンスエード(Cのみ)
■アッパー素材 : AとB…フランス・アノネイ社製ボカルーカーフ。 C…イタリア・シャラーダ社製カステリーノスエード
■底付け製法 : グッドイヤー・ウェルテッド
■ソール素材 : オールレザーソール。オープントラック仕様。
■サイズ : 5 1/2~9 1/2サイズ刻み。
■価格 : いずれも一足\50,400(税込み)

 KNIGHTSBRIDGE・ジョッパーブーツ
KNIGHTSBRIDGEシリーズのジョッパーブーツです。ブーツに「丈」のある分、水平感が強調されるトウシェイプが際立ちます。冬場にはソフト帽姿でも、或いはハンチングキャップ姿でも似合いそうな多面性を意外と持ち合わせているのも特徴です。




次のページでは、普遍性最重視の方にお勧めのシリーズの新作!
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