アッパー用の革も、引き続き充実です!
銀座ヨシノヤがフランスのタンナー・アノネイに別注したオリジナルレザーです。シボの入りは実際には写真より大分薄いので、靴に仕立てるとそれほどカジュアルな印象には映りません。この質感ならば、内羽根式の靴でも全く問題なし! |
以前の受注会と同様、今回もアッパーに使える革は大変充実したラインナップになっています。メインとなるフレンチレザーは、安定した品質で評価が近年一気に高まっているアノネイのものに一本化すると同時に、リクエストに応じて新たな質感のものが加わりました。それが上の写真、このタンナーに銀座ヨシノヤが別注を掛けた、僅かに型押しを施したグレインレザーです。
接写をしたためシボがしっかり入っているように見えますが、実際は通常見られるスコッチグレインレザーに比べ、それは大分穏やか。靴として成型すると、釣り込みでどうしても伸ばされるつま先周辺ではシボが無くなってしまうほどで、この種の革を用いた靴にしばし感じられる無骨さとはまた一味違う、端正な面持ちで仕上って来るのが期待できます。このアッパーならばUチップのような外羽根式の靴に限らず、内羽根式の靴でもカッコいい!
その他、「あまりに質が良過ぎて、むしろ革の方が仕立てる職人を選ぶ」との評もある、チェコ国境にほど近いドイツの老舗、ルートヴィッヒ・ペリンガーのツヤ消しボックスカーフや、イギリスのC.F.ステッド製スエード、それに日本の新喜皮革のコードヴァン等、定評のある革も引き続き用意されています。昨秋話題騒然となったかつての西ドイツ最強タンナー、カール・ロッシュのデッドストックベビーボックスカーフも、僅かですが在庫があるので、「腰があるのに柔らかくキメも細かい」幻の感触をまだ味わえます。また、スムースレザー系のものにはオプションでアンティーク加工も可能です。
アウトソールやヒールのトップリフトの材質や選択方法、それに日本サイズ標記23.5~27.0の足長毎にEEとEEE2種類の足囲を揃えたサイズ構成は従来通りです。ただこのパターンメードに用いる木型は、昨今の顧客データを活かし足囲の標記に比べ実際は細身、もっと具体的に申せば甲が相当に低いので、誰が履いても無理のない着用感には収まるものの、日本製よりインポートの靴の方がフィットする傾向の高い人にこそお勧めです! 細部の作りがあまりに丁寧ゆえ、表情は飾らず謙虚に映るものの、我が国の靴作りの伝統と最先端双方が詰まった快適な履き心地を一たび味わってしまうと、「本当の本物」が解る方ならば必ずや驚き、かつ必ずやリピーターになりますよ!
■銀座ヨシノヤ 紳士靴ハンドソーンパターンオーダー受注会
会期:2009年9月19日(土)~10月18日(日)
基本税込み価格:\126,000、一部のモデルは\136,500
オプション税込み価格:
フルハンド十分仕立て……+\136,500
アッパーにプレミアムレザー使用…+\21,000(カール・ロッシュ社、ルートヴィッヒ・ぺリンガー社のものなど)
アッパーにコードヴァン使用……+\31,500(素材特性上製造できないモデルが一部あります)
ヒールのトップリフトをクオーターラバーかオールレザー仕様に……+\3,150
アンティーク仕上げ……+\6,090(お手入れ用セットが付属します)
納期:九分仕立て……約2か月、オールハンド十分仕立て……約3か月
なお、受注可能な靴のスタイル等パターンメードの詳細についてはこの記事、銀座ヨシノヤの九分仕立て紳士靴についてはこの記事もご参照下さい。
開催場所並びにお問い合わせ先:銀座ヨシノヤ 銀座四丁目店
住所:〒104-0061 東京都中央区銀座4-5-4
地図: Yahoo!地図情報
Tel:03-3562-3871
営業時間:11:00~19:30 年中無休
HP:銀座ヨシノヤ
パターンメードのものとは別デザインですが、ご参考までに、上の写真の革を用いた既製品の外羽根式Uチップです。シボが目立たないことがお解かりいただけるかと思います。この靴も「九分仕立て」ながら実はオールラバーソール仕様で、パターンメードでも同じ底材を選択可能です。税込み価格\99,750 銀座ヨシノヤ |
今回の受注会でメインに用いられるのと同じフランス・アノネイ社のアッパーに、アンティーク加工を施したのが向かって右側の靴のつま先です。革質が良いせいか、陰影が何とも魅力的に出ています。ただ、向かって左側のような「すっぴん顔」も捨て難いので、発注時に迷うこと必至! |