作者と持ち主の「姿勢」が顕れる鞄!
CLEMATISのオーダーサンプルの一例、鞄好きが泣いて憧れるブライドルレザーのブリーフケースです。ライニングは敢えて張らずに、表革の張力と縫製で自立させる醍醐味が、もう堪らない! これと同じ仕様で価格は\346,500(税込み)。 |
前回は高野圭太郎さんが仕立てる靴の話を中心にご紹介した、2008年11月に創業したCLEMATIS(クレマチス)。植物から名前をとっただけあり、店内は気持ち明る目の緑のカーペットが敷きつめられ、訪れる人の気分を自然と和ませてくれる空間です。ここで「ああでもない、こうでもない…」と、オーダーのディテールを高野さんや小松さんと考えたり決めたりするのは、とっても充実した時間になりそう!
そしてCLEMATISの魅力は当然ながら、靴だけに留まりません。小松直幸さんが仕立てる鞄もまた、
「そうそう、これが今、巷ではもう見付けられないんだよ!」
と思わず唸ってしまう、絶品揃いなのです。ビジネスバッグの世界では軽さ重視でナイロン系の素材を用いた鞄がすっかり主流になってしまいましたが、そのような「曖昧でお手軽な世相」で確実に失われてしまった大切なもの、例えば「明確な責任ある姿勢」が彼の作品の各所から、ひしひし伝わってくるのです。
ただその分、ここの鞄の方も靴と同様、欲しいからと駄々をこねてもすぐに手に入れられるものではありません。オーダーしてから完成をじっくり待つ形になりますが、その仕組みは、靴とは若干異なります。さてさて一体どんな手順を踏んでゆくのかな?
上の写真の鞄の持ち手部分です。もちろん手縫いで、芯地として中に入れた革にも糸がしっかり貫通しています。作り込みに妥協が全く無い分、実際に持った時の感触は最高です。 |
次のページでは、CLEMATISのオーダーバッグの製作プロセスをご紹介!