お願いっ! REGAL TOKYO限定でいいので色々作って!
Shetland Fox・EDINBURGH シリーズの内羽根式プレーントウです。縫い目にブローギングが付くので、少しだけカジュアルな印象ですが、質実剛健な印象はかつてのこのブランドのDNAそのまま! |
で、個人的には一番「待ってました!」なのが、このページでご紹介するEDINBURGH シリーズです。こちらは1980年代のShetland Foxのイメージに一番近い、直球ど真ん中のトラディショナルスタイル。質実剛健で過度に目立たない、今や絶滅寸前と申し上げるのが少々寂しくなる「無骨な優しさ」を十分に残した造形が特徴で、これを初めて見た際には「ああ、よかったよかった……」と胸をなでおろしました。
個性個性と血眼になって追いかけはするものの、その個性の「出し方」は誰もが低レベルに同じであるがゆえ、かえって同質化が目立ってしまう現代の紳士靴の中にあって、このシリーズが持つ「奇をてらわない普通さ」は大変貴重な存在です。本当に「個性」のある人ならば、自分の色に如何様にも染められる一種の「余裕しろ」を、このシリーズの靴は備えているのです。実はEDINBURGHシリーズに用いる木型は、造形の後半分は前ページのKNIGHTSBRIDGEシリーズと一緒で、トウシェイプのみを替えただけ! なのに両者は全く異なって映るのが今回のShetland Foxの凄みですし、それゆえ真の基軸になる木型とシリーズがこれだとも申せるでしょう。
こちらのシリーズの底付けはもちろんグッドイヤー・ウェルテッド製法で、アッパーにはイタリア製でも引き締まった質感と色合いで評価の高いフラスキーニ社のカーフを用いることで、少し前までのイギリス靴的な質実剛健な印象を与えるのに成功しています。今回リリースされた3モデルも大変素晴らしい出来ですが、外羽根式Vフロントプレーントウや内羽根式パンチドキャップトウ、それに内羽根式セミブローグとかも、この木型で作ったら絶対に絶対に絶対にカッコイイだろうなぁ…… この種の普遍性溢れる靴で4万円前後の価格帯は、実は国産・インポートを問わず現在嘘みたいに「空白区」ですし、フィット感に富んだ履き心地は額面より格段に優れているので、小生と同様「これ、これ、これだよ、これなんだよ!」的な潜在需要は結構多い筈。このシリーズで上記の靴を揃えた”Universal Collection”みたいなもの、REGAL TOKYO限定で構わないので是非ともご検討のほど、どうかREGALさんお願いです!!
【Shetland Fox/EDINBURGHシリーズ】
■スタイル : A.内羽根式5穴プレーントウ、B.外羽根式5穴クウォーターブローグ、C.シングルモンクストラップ
■色 : ブラック(全て)、ミディアムブラウン(全て)、ブラックスエード(Bのみ)、ココアブラウンスエード(Bのみ)
■アッパー素材 : イタリア・フラスキーニ社製カーフ。スエードはイギリス・C.F.ステッド社製スーパーバック
■底付け製法 : グッドイヤー・ウェルテッド
■ソール素材 : オールレザーソール。オープントラック仕様。
■サイズ : 5 1/2~9 1/2サイズ刻み。 いずれもJIS Eウィズ相当
■価格 : いずれも一足\42,000(税込み)
EDINBURGH シリーズのトウシェイプは、典型的なソフトスクエア。誰にでも無理なく履ける落ち着いたシェイプは、今後の更なるシリーズ展開をついつい期待してしまいます。W字状のトウキャップが付いたフルブローグより、一文字状のものが付いたセミブローグの方が、相性は若干良さそう! |
EDINBURGH シリーズのヒール面を撮ってみました。内くるぶし側の角をカットしているだけでなく、ヒール前方も弧状に面取りするなど、かつてのインポートシューズに暫し見られた意匠を再現しています。細かいところにも手を抜いていない証拠です。 |
次のページでは、入門編にも相応しい実用性に富んだシリーズをご紹介しましょう!