見るからにケアが面倒臭そう……
アメリカのコールハーンがかつてイタリアのファクトリーに作らせたメッシュ&コンビのフルブローグ。メインはこげ茶、メッシュ部分は黒ではなくて紺といかにも! のセンスですが、コンビはともかく、編目がとても細かいメッシュのケアは、ハッキリ言って難儀です! |
前回はパテントレザー、俗に言うエナメル革のケアについてお話ししました。輝きの維持よりも、表面割れやベタ付きの防止がこの革の注意点。ケア以上に「保管方法」が長く使い続けるための秘訣でした。
だんだん暖かくなってまいりましたし、今回はこれからの季節が本領発揮のメッシュレザーを用いた靴のケアについて見てまいりましょう。この革を用いた靴は、正直「ある程度以上の年齢のおしゃれに無関心な方が、夏場に履くスリッポン」というイメージが定着していましたが、2006年辺りから状況が徐々に変化しています。端的に申せば、「メッシュ」と聞いてダサい…… と思う人でも、これをイタリア風に「イントレチアート(Intrecciato)」と言い方を変えれば、カッコイイ! と印象をガラっと翻す方、多いのですよね?
要は見せ方・言い方の問題なのですが、いずれにせよ、見るからにケアが面倒臭そうな革であることは確かです。ただ、春夏物だからこそ、より清潔なコンディションで履きたいわけで、ケアは当然重要! 似たような構造で同様の用いられ方をする「パンチングレザー」の靴のお手入れについても、以下合わせて考えてみましょう。
こちらは大変細かいパンチングレザーを用いた、見るからに涼しそうな靴です。ライニングまでバッチリ穴が開いているので、通常の靴クリームを用いるのは至難の技。 |
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