大先輩を少し自然にした感じ
向かって左が新木型の靴、右がAldenのモディファイドラストの靴です。前者のほうが指周りが高めですが、幅や甲周りの高さはほぼ同じです。 |
前ページの靴を見て「どこかで見たことあるシェイプだよなぁ……」と思われた方、鋭いです! そう、オブリーク的な発想を採り入れた靴としては、大先輩にかのアメリカ・オールデン社の名作「モディファイドラスト」がありますよね。そこでちょっと意地悪かもしれませんが、この新モデルの靴と、小生が持っているモディファイドラストの靴を何箇所か比較してみることにしました。ちなみにサイズは前者がJPN25.0 D、後者がUS6 1/2 B/Dで、どちらも小生が一番快適と感じるものです。
つま先:新モデルの靴のほうが、モディファイドラストのものに比べ若干高さがあります。また、幅そのものはどちらも同程度ですが、前者のほうが後者に比べ小指側のカーブが穏やかで、指への横方向からの圧迫も少ないです。
甲・土踏まず:どちらも大変フィット感が高いのですが、新モデルの靴のほうが下からの「突き上げ感」が均質で穏やかです。小生の足では、モディファイドラストは土踏まずの前方が、やや強引に持ち上がる感があります。
トップライン:内踝・外踝側双方とも、新モデルのほうが一番窪むポジションが低いです。ただその高低差はモディファイドラストの方が激しく、この木型が当初はハイアーチ(簡単に申せば偏平足の逆)の方向けに開発されたものであることを思い出させてくれます。
かかと:どちらも芯材が内踝側により長く入っていますが、一言で申せば新モデルの方が「グラマラス」です。小生の足では、モディファイドラストの小さなかかとの方が、相性は良いですね。
つまり、この新モデルの木型はより多くの日本人男性の足にクセ無く合うようにすべく、オールデンのモディファイドラストの特徴を参考にしながら、形状をより落ち着きのあるものにしたと言えるかもしれません。また、長時間履いても疲れにくい靴であることは想像に難くなく、前ページで挙げたような使い方のほかに、何日かの出張で荷物の都合で靴は1足しか持ってゆけないような場合などには、このモデルのVチップやパンチドキャップトウなど、重宝しないはず、ありません。日本ではモディファイドラストといえば、どうしてもコードヴァンのイメージが付きまといがちですが、それに対してこちらの新モデルなら、個人的にはズバリ、ダークブラウンのオイルドレザーとかで仕立ててみたい!
向かって左が新木型の靴、右がAldenのモディファイドラストの靴です。前者のほうがかかと周りはやや大きめ。この辺りは個人によって相性が変わってくるかもしれません。 |
最後のページでは、今年で60周年を迎えるVANと、昨今のアメトラ事情について、熱く、熱く語らせていただきます。乱文ご容赦!!!