男の靴・スニーカー/ドレスシューズ

新作登場! KENT SHOP AOYAMAの靴(3ページ目)

KENT SHOP AOYAMAのカスタムメイド靴に、レッドソールや快適性により重点を置いた木型など選択肢が増えました。今年はVAN創業から60年。トレンドとして片付けてはいけない、アメトラの本質にも迫ります!

飯野 高広

執筆者:飯野 高広

靴ガイド

甲が薄い人に、ぜひ試してもらいたい一足!

Vチップ
新たに加わった木型が一番似合うスタイルは、このVチップでしょう。どのようなアッパーでも履き心地の良さを体感できますが、この金茶スエードは、特に春から夏にかけて大変重宝する素材です。この仕様で\35,700(税・オプション込み)。ケント ショップ 青山


続いてご紹介するのは、この春から正式にラインナップに加わった新木型を用いた作品です。この木型の特徴は、つま先をはじめ各パーツの内踝側・外踝側の位置や形状が大分異なる「オブリークラスト(Oblique Last)」であることと、従来の日本の靴に比べ甲周りがタイトである点です。

そもそも人間の足というのは内踝側・外踝側で非対称であって、それに忠実に靴を作れば快適性は格段に向上しますが、その分見栄えが悪くなってしまいます。また靴に曲面が多数生じるので製作も難しいため、このように内踝側・外踝側を積極的に非対称とした木型を採用したドレスシューズというのは、実はそれほど多くありません。新たに加わったこの木型は、スタイルを外羽根式のみに絞り込み、パターン等も工夫することで、足のおさまりの良さと見栄えの良さを両立させることに成功しました。

またつま先周りに比べ甲周りがタイトで、JIS規格の足囲1つ分の違いはあるでしょう。具体的には、D表記だとしたらそれは甲周りを示し、つま先周りはE相当と若干余裕が出ます。それゆえ実際履いてみると甲を上下方向から「つままれている」感触を覚えますが、これ、決して不快ではありませんよ! 下の写真をご覧いただくと一目瞭然ですが、ソールが土踏まず部でしっかり絞られているだけでなく、内踝側を外踝側より長く設計した通称「トーマスヒール」が、土踏まずをしっかり支えてくれるからです。

巷に出回る単なる幅広靴とは異なり、締めるべき所は思いっきり締めている木型ですので、この靴は足幅に比べ甲が明らかに薄い方や、左右の足長差が原因で既製品ではいつも同じ指の同じ個所に窮屈さを感じる方、それに一日中歩きっぱなしでつま先周辺にむくみを溜めやすい営業マンなど、デザイン以上に履き心地で通常の靴に不満を抱いていらっしゃる方に向いていると思います。製作可能なデザインは専用の12種類しかも外羽根式のみですが、幅を含めてサイズの豊富さ、そして価格も従来からある木型の靴と変わりません。

【KENT SHOP AOYAMA/カスタムメイドシューズ・MDタイプ】
■スタイル : シューズ8種類、ブーツ4種類の中から選択可能(全て外羽根式)
■色・素材 : 約50種類の中から選択可能
■レングス : 片足毎に22.0~30.0 0.5ピッチで選択可能
■ウィズ  : 片足毎にD・E・EE・EEE・EEEE・Fから選択可能
■納期   : 約一ヶ月半(注文状況により異なります)
■価格   : シューズ\33,600~、ブーツ\35,700~(いずれも税込み。オプション内容により変動します)
ソールとヒール
新木型の靴を底面から覗いたものです。上から見る際には想像できないのですが、親指の位置が内踝側にかなり入りこんでいるのがお分かり頂けるでしょう。ヒールも内踝側が長い「トーマスヒール」仕様で、土踏まず部の「絞り」をサポートします。




次のページでは、この靴がお手本にしたらしい、あの木型の靴との比較をやってみます!
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