世界に誇れる、日本のハンドメイド
銀座ヨシノヤの内羽根式ストレートチップ、モデル0521です。シンプルなスタイルだからこそ、九分仕立てならではの造形の良さが際立ちます。色:黒・ダークブラウン(いずれもキップ・スムースレザー)。サイズ:23.5~26.5 EE。価格:\94,500(税込み) 銀座ヨシノヤ |
昔の仕事の都合で神戸周辺に6年いた以外、東京の北西部、ちょうど23区と多摩の境目あたりで生活している小生にとって、「銀座」は幼い頃から特別なイメージを持った言わば「お出かけする街」。今でも地下鉄の出口を上がると、どんな野暮用であっても不思議とワクワクした思いに駆られます。
近年は海外ブランドが続々と進出してはいるものの、日本の銘店もどっこいこの地で頑張っているのは心強い限り。言わずと知れた時計台の「和光」、酒種あんぱんが美味しい「木村屋」、CD・楽器共にセレクションが鋭い「山野楽器」、世界中の女性が憧れる「ミキモト」と四丁目の交差点から銀座通りを進んでゆくと、左手に見えてくるのが、2007年に創業100周年を迎えた日本の紳士靴界における老舗中の老舗、「銀座ヨシノヤ」です。
「あれ、銀座のヨシノヤさんって婦人靴のお店じゃないの?」確かにここのメインは美麗な婦人靴ですので、そんな声も聞こえてきそうです。でもここの地下一階には、そんじょそこいらのインポートシューズが黙って道を譲らなくてはいけないほど素晴らしい、オリジナルの紳士靴が揃っているんですよ! ということで今回は、この銀座ヨシノヤが誇る通称「九分仕立て紳士靴」の魅力を徹底解剖することにいたしましょう。
なお、今回写真を掲載する靴の個別紹介では、アッパーの素材名に「キップ」を用いております。これは生後2年以内の牛革を示す言葉で、他の靴メーカー・ブランドが通常呼称する「カーフ」と中身は全く同じ高品質なものです。銀座ヨシノヤでは「カーフ」の名称は、より厳密かつ生真面目に、生後6ヶ月以内の牛革にのみ用いているため、今回はそれを尊重いたしました。
銀座ヨシノヤの内羽根式ダイヤモンドブローグ、モデル0533です。昨今ブームの兆しがあるダイヤモンドブローグを巧みに取り入れた作品。表記は同じEEではあるものの、上のモデル0521に比べやや幅広な木型を採用しています。色:黒・ブラウン(いずれもキップ・スムースレザー)。サイズ:24.0~26.5 EE。価格:\94,500(税込み) 銀座ヨシノヤ |
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