風合いを決めるブラッシング
起毛系の革に用いられる様々なブラシです。革の状況により、ベストなものが変わります。 |
前回はスエードやヌバックなど、起毛系レザーの靴に用いる靴クリームについて解説致しました。「光らせる必要がないから、蝋分も入れなくてよい」をキーワードとして、専用のものが作られているのがご理解いただけたかと思います。
さて今回は、これらを用いる前後に欠かせない「ブラッシング」に必要なケア用品をご紹介致しましょう。ケアの大まかな流れを説明した前々回の記事をご覧の方はもうお気付きでしょうが、「えっ?」と思うものも出てきますのでご期待下さい。
普段はこんなブラシ? でケア
ただのスポンジ、ではありません。これが起毛系に最適な「ブラシ」なんです。 |
この「スポンジブラシ」は通常、天然ゴムを細かく発泡させ独特の柔らかさ・弾力性を持たせて作られているのですが、どうもこれらの特性が起毛系レザーとは相性バツグンのようなのです。つまりブラシが凸凹のある革の断面にソフトに密着し、細かいホコリを確実にかき出してくれるわけです。同時に表面にダメージを与えること無く、毛並みも綺麗に整えてくれます。
この種の「スポンジブラシ」が日本の市場に出てきてから、実はそれほど年月は経っていません。かれこれ10年位かな? それまでは日頃のケア用としては、主にこのページの一番上の写真にもあるような、合成ゴムのシートを凸凹に曲げたりスニーカーのソールのように加工して作られた、「ゴムブラシ」だけしかなかったような気がします。それらも効果は十分あるので、今でも売られているのですが、スムーズな使用感とレザー表面へのダメージの起こりにくさで、この「スポンジブラシ」の方が一歩勝るかな? 「ゴムブラシ」はむしろ、後述するワイヤーブラシとの中間的な役割を持っている気がします。
ちょっと困った時のブラシ?については、
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