「普遍」の偉大さを忘れていない、稀有なブランド

琴四郎
三陽山長 銀座店の染谷さんご推薦の、内羽根式アデレイドセミブローグ「琴四郎」。ビジネス、休日、どちらにも対応できる顔立ちの、長く付き合いたい一足です。


こちらは三陽山長のメイン木型「201」を用いた、内羽根式アデレイドセミブローグ「琴四郎」です。独特なメダリオンが施された重厚感はセミブローグの定石どおりですが、鳩目回りを琴型に繰り抜くように縫製する「アデレイド」スタイルなので、やや細身のアーモンドトウと相まって、通常のものよりスッキリした印象に仕上がっています。スーツにもブルーデニムにも相性の良さそうな、1足あると必ず重宝するモデルです。

この「201」のシェイプは、飽きの来ない「普遍」そのもの。甲薄幅狭への日本人の足型の変化にいち早く対応し、従来の日本の靴より明らかにメリハリを効かせたこの木型は、同時に足入れにも大変優れているため、2003年春のデビュー以来、着実にファンを増やしているのも当然でしょう。紳士靴のメッカ・イギリスの靴メーカーも、どこの影響かはわかりませんが最近は妙に色気づいてきて(いや、「脂ぎっている」と言うべきブランドすらある)、元来持っていた普遍美を忘れがちの感がある中、この存在は、実は貴重なのですよ。木型に限らず、この「時流を見据えた上で、本当の本物を追求する姿勢」が、ブランド創設以来曲がること無く太い幹にしっかり成長している点が、好感度大なのです。

ここでちょっとだけ、「三陽山長」ブランドの歴史をおさらいしましょうか…… 多くの高級インポートシューズブランドを日本に紹介し、紳士靴のプロデューサーとして知る人ぞ知る存在の長嶋正樹さんを中心に、「海外ブランドに負けない日本製の紳士靴を!」を合言葉に2000年秋に立ち上げたのが、前身の「山長印靴本舗」。翌年から三陽商会をパートナーに迎え「三陽山長」として本格的に活動を始め、2003年秋には二子玉川高島屋SC内に「三陽山長 二子玉川店」をオープンさせます。ご存知の方も多いでしょうが、二子玉川周辺は典型的な「東京勝ち組エリア」。ここでの豊富な経験が、今回の満を持しての銀座進出に大いに役立ったことでしょう。

現在では紳士靴以外にも、鞄や革小物など「三陽山長」ブランドは創業当初からは広がっています。いずれもコラボレーションによるインポートものも僅かにあるものの、主軸は創業時のポリシーを曲げずもちろん日本製、手仕事重視の丁寧な造りこみは折り紙付きです。なお、銀座店には紳士靴は上記の「208」や「201」木型を用いたものだけでなく、ロングノーズスクエアトウの「303」や、スマートラウンドトウの「304」を使った、ややトレンドに振ったものもちゃんと用意されています。今回は写真では出しませんでしたが、若い世代の方は、そちらの方が気に入ってくれるかも? 興味のある方は、是非ともご来店あれ!

【三陽山長/琴四郎】
■色・素材 : 黒・ミディアムブラウン(共にスムースレザー)
■木型 : 201
■サイズ : 6~9 Eウィズ
■価格 : 63,000(税込み)


最後のページは、三陽山長の真骨頂、オーダーシステムのご紹介!