27年間、バーリントンアーケード店で販売に携わってきたトニー・フォックス氏。エディフィス渋谷店で開催されたオーダー会でも、その実力は発揮された。笑顔の素敵な紳士です。 |
といってもボクの場合はオーダーが目的ではなく、来日されたトニー・フォックス氏に会うためです。
フォックス氏は27年間、バーリントンアーケード店に勤められたベテランの販売員で、現在はマネージャーとしてスタッフのトレーニングや教育などを行う責任者でもあります。
つまりチャーチの靴を知り尽くした人物ということです。そんな彼にいろいろ質問してみました。
2000年以降、すっかり新しい木型になってしまいましたが?
「2000年に導入されたラスト(木型)100は、もっと若い世代にチャーチを理解してもらいたいという理由から始まりました。2年前からはロングノーズのラスト108も登場し、こちらも評判がいいです」
ラスト73はどうなったの?
ラスト173を採用したSANDRINGHAM。ラスト73をベースに、現代人の足によりフィットするように調整されている。トウのあたりはラスト73よりも若干丸みがあるようだ。 |
ちなみに現在のチェットウィンドは、ラスト73を継承したラスト100が採用されていて、ボリューム感のあるトウに仕上がっています。
「ラスト100を使ったモデルが発売されたときに、日本でラスト73の復活を望む声が大きく、ラスト73のトウシェイプを継承し、現代人によりフィットしたラスト173を作りました。2年前から導入しています」
ラスト173はチャーチの新しい定番ラストといっていい存在で、旧チャーチ時代のラスト73のようにロングセラーの傑作木型になりそうです。
では、ラスト73はもう消滅したのかというとそうではなく、別注コレクションで継続して生産しているようです。嬉しいやら悲しいやら・・・。
現在一般に販売されているチェットウィンドやディプロマット、ウエストバリー、コンサル、BECKET(発音がわからないので英語表記)の木型はラスト73からラスト100にすべて変更されています。
このラスト100というのが現在ヨーロッパでベストセラーになっている木型ですね。
超ロングノーズのイタリア靴を目にする機会が多い現在、ラスト100という木型はむしろクラシックな雰囲気です。
このラスト100とラスト173なら旧チャーチ好きのボクも、どうにか受け入れられそうですね(笑)。