男の靴・スニーカー/ドレスシューズ

トゥモローランドの3万円台シューズ(2ページ目)

「足元を見られる」の言葉通り、どんなに良いスーツを着ていても、靴がダメなら全部ダメ。ビジネスマン必見のハイクオリティなドレスシューズをご紹介します。

池田 保行

執筆者:池田 保行

メンズファッションガイド

この端正なフォルム、ラストは日本人モデリストが作りました

イギリスやイタリアの靴が美しいのは、靴の歴史が長くそこに掛けてきた情熱が日本とは違うこと。そして外国人の素の足が日本人よりもスマートな形状であることが理由だと、ある靴職人の方が仰っていたことがあります。確かに、日本人の足の形に合わせたら、ベタな甲高段平靴が出来上がってしまいます。なにしろ、草履と下駄の国ですからね。これは、どう観てもやっぱりスマートではありません。西洋の服飾文化たるスーツに合わなくて当然。

そこで、少々無理やりなところもありますが、インポートの既成靴メーカーの中から、せめて日本人の足が入りやすいと思われるものを選んで押し込んできたわけです。最近では、そういった海外メーカーが日本人向けのラストを作ってくれたりして、かなり履きやすいモデルが登場しております。そういったことで、あらゆる補正などのテクニックを使って美しく見せるのがモデリストの腕。スーツとも相通じるものがあります。

で、こちらの「ア ピース オブ クラフツマン フロム トゥモローランド」ですが、こちらのラストは英国で修行を積まれた日本人のモデリストにトゥモローランドが別注したもの。当然、日本人の日本人による日本人のための形状になっています。

ア ピース オブ クラフツマン フロム トゥモローランド
横顔は日本製の靴とは思えない、スマートなシルエット。ソールも薄めで洗練された印象です
横顔はつま先が浮いた今風のシルエット。もちろん仕立ては耐久性に優れ、ソールの交換も容易なグッドイヤーウェルト製法です。それでいて昔の英国靴のようにコバの張り出したものではなく、スマートに抑えられています。

甲の高さをきちんととりながら、ノーズは細身。歩いたときの返りが良いように甲の立ち上がりがボールジョイント(足の親指の付け部分)から立ち上がっています。この形状がとても難しい部分です。スーツでいえば胸周りのドレープをどう流すかという話。

次のページでも詳しく紹介します。
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