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シップスの「ドロップ9スーツ」(2ページ目)

胸囲と胴囲の長さの差を「ドロップ寸」といいます。厚い胸板、引き締まったウエストの理想体型に見せてくれる、ドロップ9のスーツをご紹介します。

池田 保行

執筆者:池田 保行

メンズファッションガイド

スーツは本来細身なのです

スーツ
ウエストがシェイプされたシルエットは、着てみるとよりタイトな具合がわかります。Photo:石井幸久
昔、といっても20年ほど前、80年代に流行したソフトスーツは、厚いパッドを入れた幅広の肩と、ゆったりと大きめにとった胸板、そのままストンと落ちるビッグシルエットでした。この頃、スーツの一台ブームが訪れたために、80年代に20~40代、今の40~60代のビジネスマンには、ビッグシルエットのスーツが、カッコいいのだと思われている人が多いのです。それゆえ、ダボダボのスーツを着ている人が今も少なからずいらっしゃる様子。

しかし、それより以前、日本人のスーツは欧米のスタンダードに合わせて肩幅も小さく細身のものが一般的です。クロゼットにお爺さんのスーツがあったら見てみてください。今の時代のスーツと変わりないはずです。細身でジャストサイズこそ、スーツ本来の姿なのです。

細く見せるポイントは「細腹」にあります

スーツ
サイドを縮めることで、厚い胸板を強調することができます。もちろん、前後の身幅にも差をつけて、立体的なバランスをとることが大切です
単に細く作るなら、ウエストを縮めればいいだろうと思いがちですが、スーツはカットソーのように単純なものではありません。全体のバランスを見ながら細部まで修正を加えることで、美しい立体を描きます。

胸板を厚く、それでいてウエストを細く見せるためには、細腹(脇腹部分の生地)の太さとカービングのバランスが重要。上が先ほどのスーツの細腹です。脇下から前後に細腹を分割して、スーツは後ろ身頃(1枚)、前身頃(左右2枚)、そして細腹(片側2枚×左右で計4枚)と7分割してより人間の身体に沿わせるようになっていることがわかります。

中でも細腹のラインと太さは上の写真を見ると明らかですが、もっとも細い部分で前細腹1cm、後ろ細腹0.8cm、合わせて1.8cm。左右で3.6cmも細くしています。これに前後の身頃、さらにカッティングの取り方を組み合わせることで、上掲のような美しいドロップ9の体型を作り出しています。

ここまでシャープなスタイルは、デザイナーズモード的な印象で、これまでビジネスでは敬遠されることもあったでしょう。でも、シップスのオリジナルスーツは、細身ですがきちんとビジネススタイルに相応しいものになっています。「体型にきちんとフィットするスーツこそ正統」と理解される時代になったのですから、こんなスーツを着ることができる人なら、ぜひトライしていただきたい。僕は、もうちょっと痩せてからチャレンジしてみたいです。

【問い合わせ先】
ミュージアム フォー シップス
Tel. 03-3496-0481

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