輸入車/注目の輸入車試乗レポート

自動車市場を元気にする2010年の輸入車(2ページ目)

“二番底が来なきゃラッキー”程度の厳しい景気のなか、今年も各社のニューモデルが登場します。エコカーからスーパーカーまで、クルマ好きをわくわくさせるそんな輸入車を紹介します。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

4ドアが高級車のムーブメントに!?

ジャガーXJ
昨年8月に発表されたジャガーのフラッグシップサルーン、XJ。最高出力385psを発生する5リッターエンジンに加え、470psと510psのスーパーチャージドが用意された。全長5122×全幅1894×全高1448mmのスタンダードのほか、全長5247mmのロングもラインナップする。価格は1000万~1755万円

話を元に戻そう。イギリス勢では、フラッグシップXJをフルモデルチェンジしたジャガーに注目が集まるだろう。旧来のジャガーイメージを一新。熱心なジャガーファンには“ギャンブル”に映るだろうが、そのジャガーファンが少なくなって近年の販売不振があるわけだから、極めて合理的な賭けだと思う。ジャガーはいつの時代も美しいクルマを作ってきた。そして、その基準は時代とともに本来、移ろうもの。新型XJは今の時代にふさわしい美とエレガンスを宿していると、ボクは思う。

ロールスロイスゴースト
昨年10月に国内初公開されたロールスロイスでは最もコンパクトな高級サルーン、ゴースト。サイズは全長5399×全幅1948×全高1550mmと、ファントムより全長436mm/全幅42mm小さい。最高出力570psの6.6リッターツインターボエンジンを搭載、価格は2900万円となる。リアドアには前側に開くコーチドアを採用した

ベントレーミュルザンヌ
アルナージ後継となるベントレーのフラッグシップサルーン、ミュルザンヌ。昨年8月のアメリカのペブルビーチで開催されたコンクールデレガンスで初お披露目された。最高出力512psの6.7リッターツインターボエンジンを搭載、サイズは全長5562×全幅1926×全高1526mm。今年夏から本国で発売が開始され、価格は22万ポンド(約3255万円)から

そのほか、ロールスロイスゴースト、アストンマーティンラピード、そしてベントレーミュルザンヌと、超高級ブランドの新時代サルーンたちも続々上陸する。ポルシェパナメーラやマセラティクアトロポルテといった既存モデルも交えて、ほとんど廃れたはずの4ドアサルーンというカタチが、今となってはその“モノ珍しさ”も手伝って、新たな高級車のムーブメントになるかも知れない。波は必ず高級から起こる。

マクラーレンMP4-12C
昨年9月に本国で発表されたマクラーレンMP4-12C。F1で得たノウハウを投入して開発、単体重量が80kgのワンピース構造の強固なカーボンファイバーセルをキャビンに採用した。最高出力608psを発生する、専用開発された3.8リッターツインターボエンジンを搭載する

純英国製スーパーカー、マクラーレンMP4-12Cの正式発表も春頃に行われる予定。スーパーカー超原理主義というべきこのクルマには、スポーツカーの粋がつまっているはず。まわりのスーパーカーファンに聞いてみても、MP4-12Cへの期待はかなり大きいようだ。すでに買う決断をした方も何人かおられた。推定価格3000万円。

フェラーリ458イタリア
昨年のフランクフルトショーに初登場した、F430の後継モデルとなるフェラーリ458イタリア。ピニンファリーナがデザインを担当、サイズは全長4527×全幅1937×全高1213mmとなる。最高出力570psの4.5リッターV8直噴エンジンを搭載、0-100km/h加速は3.4秒未満とされる。サイズは全長4527×全幅1937×全高1213mm

スーパーカーといえば、マクラーレンとメルセデスSLSに加えて、フェラーリ458イタリアの上陸が待ち遠しい。二世代ごとに進化してきたV8ミッドシップフェラーリの新世代モデルだけに、ウワサでは相当アグレッシブな仕上がりになった模様。このところ、いいウワサを聞かないイタリア勢のなかにあって、跳ね馬だけが気を吐くか……。

アルファ ジュリエッタ
今年のジュネーブショーでお披露目される予定のアルファ ジュリエッタ。実質的な147の後継モデルとなるCセグメントハッチバック。サイズは全長4350×全幅1800×全高1460mm

イタリアンブランドでは、アルファロメオの新型車、ジュリエッタ(147後継)が春にもワールドワイドデビューを果たす。今年、ブランドの100周年を迎えるアルファロメオだけに、この新型車にかかる期待は大きいが、次世代モデルの商品企画全面ストップや、カナダへの生産拠点移転など、???なウワサも多い。いずれにせよ、クライスラーを巻き込んだフィアットアウトグループの大変革はありうる。いろんな意味で注目したい。

紹介しもれたクルマもあるだろうが、車名を並べてみる限り、クルマ好きをわくわくさせるモデルがズラリと並ぶ。今年は国産勢がいまいちパッとしない年。エコカーからスーパーカーまで、活きのいい輸入車でマーケットを元気にしたいものだ。
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