輸入車/注目の輸入車試乗レポート

自動車市場を元気にする2010年の輸入車

“二番底が来なきゃラッキー”程度の厳しい景気のなか、今年も各社のニューモデルが登場します。エコカーからスーパーカーまで、クルマ好きをわくわくさせるそんな輸入車を紹介します。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

時代は脱内燃機関に向け舵を切りはじめた


世の中的な景気をいえば、今年も“二番底が来なきゃラッキー”程度のものだろう。それでも! 自動車メーカーは回遊魚のようなもので、新しいクルマを出してマーケットを刺激し続けなきゃ、注目すらされなくなって余計クルマも売れず、元も子もなくなってしまう。新車発表後即工場稼働ストップ、なんて事態も去年以上に増える可能性はあるけれど、クルマ好き応援隊のボクとしては、各社のニューモデルをこれまで以上の“歓喜”をもって迎えたいと思っている。

M・ベンツSLS AMG
今年9月のフランクフルトショーに初登場した、AMG初の自社開発となるM・ベンツSLS AMG。実質的なSLRマクラーレンの後継モデル。専用チューンされた6.2リッターV8エンジンは最高出力571ps/最大トルク650Nmを発生。新開発デュアルクラッチ7速2ペダルMTのAMGスピードシフトDCT-7が組み合わせられる。本国での価格は17万7310ユーロ(約2360万円)

ドイツ勢。特にプレミアムブランド勢に注目だ。まずは、メルセデスベンツ。早々からブルーエフィシェンシー攻勢がいっそう強まる。ダウンサイジングのCGIのみならず、ディーゼルの本命ブルーテックCDIが、いよいよ上陸。加えて! マニア垂涎のスーパーカー、SLS AMGもいよいよやってくる。ウワサでは日本におけるオーダー既に百台弱。ガルウィングの勇姿を早く日本でも見たいものだ。

BMW5シリーズセダン
昨年11月に発表された新型BMW5シリーズセダン。欧州では今年春から販売される予定。サイズは全長4899×全幅1860×全高1464mmと現行モデルより全長44mm/全幅15mm大きくなっている

BWMも重要な年になりそう。本国では写真発表もされているが、フルモデルチェンジの5シリーズが正式にお披露目され日本市場にもやってくる。7シリーズを小さくしたカタチにスタイリングの“先祖帰り”も見受けられる新型5シリーズ。3シリーズとともにラインナップの中核を成すモデルだけに、期待は大きい。コンパクトSUVのX1も春頃には上陸予定だ。こちらもBMWらしい走りが楽しみ。さらには、7シリーズアクティブハイブリッドも上陸する。

アウディA8
昨年12月にマイアミで開催されたデザインイベント(ザ アート オブ プログレス)で発表された、アウディのフラッグシップモデルA8。サイズは全長5173×全幅1949×全高1460mm、3種類のエンジン(4.2FSI、4.2TDI、3.0TDI)に8速ティプトロニックが組み合わせられる

昨年、輸入車勢で唯一気を吐いたアウディも、ニューモデルラッシュが続く。A5スポーツバックやTT RSといった派生モデルのみならず、すでに発表済みのフラッグシップA8の日本上陸(2011年の年頭になるかも)や、新コンパクトカーA1(ポロクラス)の発表が控えている。1と8、つまりは下と上を新たにすることで、新世代を強力にアピールするものだ。

プジョーRCZ
'07年のフランクフルトショーに登場したコンセプトカー、308RCZの市販バージョンがプジョーRCZ。308をベースにダブルバブルと呼ばれる形状のルーフを備えるスタイリッシュなクーペモデル。サイズは全長4287×全幅1845×全高1360mm。日本では7月に発売される予定で、本国での価格は27400ユーロ(約364万円)から
シトロエンDS3
C3をベースとし高級感を高めたシトロエンDS3。これは昨年のジュネーブショーに登場したコンセプトカー(DSインサイド)の市販版で、フランクフルトショーに初登場した。高級感をたかめたDSシリーズの第一弾となり、日本では7月の発売予定。サイズは全長3950×全幅1710×全高1460mm

いつもドイツプレミアムブランドばかり目立ってツマラナイ!そう思う向きにはいいニュースがある。フランス勢が今年はやってくれそう。中でもプジョー・シトロエンPSAに要注目されたし。プジョー3008やRCZ、シトロエンC3やDS3といった、フランス車らしいコンパクトカーが続々やってくる。さらに! ウワサでは世界初の量産ディーゼルハイブリッドも発表されるらしい。

ここ数年で、欧州勢のハイブリッド化はいっそう進むと予測されている。炭酸ガス排出規制を考えると、もはや中型以上のハイブリッド化と小型のEVなしではメドが立たないからだ。事実、中大排気量の高性能レシプロエンジンの開発は、主だったメーカーにおいてすでに一段落ついてしまっている。内燃機関フェチのボクとしては、小型高効率過給機付きダウンサイジングエンジンと伝統工芸的数量限定大排気量エンジンに期待したいところだが、排出量平均の規制を考えれば、それにも限界があるだろう。時代はいよいよ脱内燃機関に向けて舵を切りはじめ、これからの10年(~2020年)は亜内燃機関(=各種ハイブリッド)とEVからの選択の時代になりそうだ。

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