1等賞の感涙ものはフェラーリ599GTO

今年も1年を振り返る時期になった。毎年、早いもので、と言っているから、今年は言わずにおこう。なんと言っても、ラグジュアリィブランド攻勢の1年だった。心に残るいろんなクルマが沢山出て来たわけだから……。2010年を、各メディアに筆者が寄稿したクルマで振り返ってみると……。

1月、本輸入車サイト用に書いたポルシェパナメーラが、“書き始め”の1台だった。パナメーラ自体は、その前年2009年秋に日本市場へとやってきたわけだが、プレミアブランドの方向性のひとつをよく物語るクルマだったと思う。ポルシェのみならず、アストンマーティンも4ドアをリリースし、その他ブランドもこぞってニッチ市場のプレミアム化に着手した。
ポルシェパナメーラ

2009年5月の上海モーターショーでワールドデビューを果たしたポルシェ初の4シーター5ドアモデル、パナメーラ。サイズは全長4970×全幅1930×全高1420mm(4S)。価格はSが1374万円、4Sが1436万円、ターボが2061万円。Sと4Sには最高出力400psの4.8リッターV8エンジン(写真)を搭載。ターボには最高出力500psの4.8リッターV8ターボを搭載。7速PDK(ポルシェ・ドッペルクップルング)を組み合わせる

「要するに、スポーツカーブランドが作ったサルーンはちゃんとスポーツカーだし、ラグジュアリィブランドが作ったスポーツカーはちゃんとラグジュアリカーしているということ。その原則を無理に壊せば、ブランドが廃る。そのあたりを彼らはよく知っている」
まったくもってポルシェなパナメーラ

そのことは、早くも2月のBMWグランツーリスモにも現れていた。今までのBMWにはなかったカタチ。しかも7シリーズ譲りの圧倒的なパフォーマンスがぎっしり詰っていて……。
BMWグランツーリスモ

セダンの機能性や走り、SUVの多様性などを併せもつ新しいクロスオーバーモデル、BMWグランツーリスモ。サイズは全長5000×全幅1900×全高1565mm。価格は3リッターターボエンジンを搭載する535i(写真)が878万円、4.4リッターターボの550iが1114万円

「名前のとおり、高速クルージングが素晴らしかった。視線の絶妙な高さと相まって、とってもラク。視線の高さは町中でも非常に有効で、高すぎず低すぎず、で、ひょっとすると今、ベストな視界の高さかも知れない。巨体ゆえの取り回しづらさも気になるところだが、インテグラル・アクティブ・ステアリングのおかげで、意外といける。BMWの新しいカタチは、新スタンダードになりえる実力を十分に持っていると言っていい。」
(EDGE誌より)

超ニッチといえば、3月のアウディTTRSも凄かった。
アウディTTRS

アウディのハイエンドスポーツモデルを手がけるクワトロGmbHが送りだすTTシリーズのトップモデル。このモデルのために新開発された、最高出力340ps/最大トルク450Nmを発生する2.5リッター直5直噴ターボエンジンを搭載。6MTと組み合わせられ0-100km/h加速4.6秒。サイズは全長4200×全幅1840×全高1380mm。価格は835万円

「この大きさは貴重である。だから、こういうヤンチャな高性能モデルがあっていい。アウディらしく、炭酸ガス排出量もけっこう低い。実はこういう小さくて高性能で環境性もそこそこ、なんてモデルこそ、超お金持ち用の次世代スーパーカーになるかも知れない。だって、フツウ、900万円あったらポルシェ911買いますから……。」
伝統の5気筒でTTはリアルスポーツRSへ

4月に書いた原稿には、ランボルギーニガヤルドLP570-4スーパーレッジェーラや、VW新型トゥアレグなどの興味深い海外試乗リポーツがいくつかあったけれども、トップニュースはフェラーリが599GTOを発表したことで、実は日本上陸1号車を試す機会があったのだが、2010年に試乗したクルマのなかでは間違いなく、一等賞の感涙ものであった。これをフェラーリというなら、他はフェラーリじゃない、って思うほどに。不幸にも……。
フェラーリ599GTO

フェラーリ599をベースとしたサーキット専用モデル599XXのロードゴーイングモデルが599GTO。最高出力670psを発生する6リッターV12エンジンを搭載。0-100km/h加速は3.35秒を誇る。599台の限定となり、発表(北京モーターショー)時には既に完売していた

「GTOの基本的なコンセプトは、599XXのロードゴーイングバージョンである。さすがにエンジンパフォーマンスは537kWから500kWちょうどにデチューンされているが、これでユーロ5とLEV2規制に適合している。もちろん、エンジン内部や吸気系、排気系といった基本的なシステムデザインは599XX由来のものである。さらに注目すべきは、599XXによって磨かれたハンドリング、シャシーセッティング、電子制御、そしてエアロダイナミクスを活用した点だ。マグネティックライドシステムやCCMブレーキシステムなど、全ては最新世代であり、F1ギアボックスの変速時間も599XXと変わらない。」
(ロッソ誌より)