アルファロメオ/アルファロメオ

豪華なランチアとスポーティなアルファ(4ページ目)

「ランチアとアルファロメオの関係は、マセラティとフェラーリのそれに似ている」その言葉を体言化した2台、ランチアのデルタとアルファのブランニューコンパクトのミートに、イタリアで試乗してきました。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

アルファらしい“曲がり”を見せる楽しい走り

アルファミート
フロントマスクを初め、フラッグシップ8Cコンペティチオーネをモチーフにしたエクステリアデザイン

グランデプントが、そもそも評価の高いクルマである。アバルトモデルの過激さも良かった。そのアルファロメオ版である。期待しない方がおかしい。はたして、その乗り味は、乗った瞬間から“いい!”と叫ばせるほどのものだった。

リバンドスプリング入りの新ダンパーが効いているのだろう。街乗りでの印象はグランデプントよりもかなり洗練されている。段差やわだちの通過が極めてリズミカルで心地いい。手応えもよく、よく手に馴染む。

ひとたびワインディングロードに繰り出せば、アルファロメオらしい“曲がり”を見せてくれる。たぶんに演出も入っているだろうが、ノーズの向きが気持ちいいほど内に向く。FFのBMWのような印象だ。これはミニよりも楽しい!

残念ながら、エンジンフィールにアルファらしさはない。そこが唯一の欠点。エクステリアは写真でみる以上に格好いいし、インテリアの質感も“安いが巧い”という正にイタリア流。基本的な走りが上等で、操って楽しいとなれば、本質的な魅力で若者を惹き付けるに十分だ。あとは、このクルマのハンドルを、彼らが握ってくれるかどうかにかかっている。

日本へは来春にも上陸する予定。また'09年中には、待望のダブルクラッチモデルが、おそらく直噴ツインターボの230psユニットと組み合わされて登場するはずだ。

車名
丸いデザインのエアコン噴出し口やメーター類が個性を演出する
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