一代限りで終わってしまう、あまりにユニークなカタチ

アルファブレラ
2006年に登場したジウジアーロデザインによる2+2シータークーペ。TIは2009年のラインナップ変更で登場した、スポーティな装備をもつトップグレード。TI2.2JTSセレスピードはサイズが全長4415×全幅1830×全高1365mm。価格が515万円となる

もうデビューからかなり経つというのに、急に気になって借り出した。ブレラ。今さらだけど、やっぱり格好いいカタチだと思う。デビュー当時の鮮烈なイメージが、決して陳腐化することなく、かえって少し空気に馴染んできたぶん、いい感じで見られるようになったと思う。

特に、赤いボディにTI(ツーリズモ・インテルナチオナーレ)専用の濃いガンメタリックホイールのコンビネーションが、このクルマの存在感を、より一層、強めていた。正直に言うと、2月に行われた日本自動車輸入組合(JAIA)主催の輸入車合同試乗会でこの個体を見て、もう一度、じっくり乗りたくなってしまったのだった。

ジュネーブショーでいくつかの次世代アルファロメオデザインがプレゼンされていたから、このカタチも一代限りで終わりとなるのだろう。逆にいえば、“永遠”を赦されたわけで、タイムレスなスタイリングとして後にマニアを喜ばせることだと思う。これからさらに美味しくなるクルマ、というわけだ。

ブレラにとって不幸だったのは、あまりにユニークなカタチでありすぎたこと(ドイツのDセグメントクーペたちを見て欲しい。キレイだけれども想像の範囲にあるスタイリングを採用している。いかなクーペといえども、否、クーペであるがゆえに、購入するユーザー層は保守的である)と、GTという実はブレラよりも+2モデルとして機能的なクーペと併存してしまったことだった。しかも、ブレラにはGMコラボレートの直噴エンジンが積まれたのに対して、GTには旧世代由来の、それゆえ“官能的”なエンジンが積まれていた。端的に言って、便利に使えるGTの方が、マニア受けしてしまったのだ。

もちろん、かなりアルファGTも魅力的なクルマだと思う。いま、どちらかを選べと言われれば、ちょっと悩む。けれども、最終的にはブレラの際立つ個性を選ぶだろう。V6エンジンの官能的魅力では劣っていたにせよ……。

アルファブレラ
インテリアはレッドステッチが入ったステアリングやレッドリング付きブラックメーターなどでスポーティさを演出する

アルファブレラ
TIにはレッドステッチの入った専用本革シートを採用。ヘッドレストには専用のヘッドレストプレートも備わる

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