アルファロメオ/アルファロメオ

徹底的にデザインコンシャス、“古く”ならないブレラ

コンセプトカーほぼそのままのスタイルで登場した、ジウジアーロデザインによるデザインコンシャスな2+2クーペ。その見栄えは新鮮かつ衝撃的、なかなか“古く”ならないスタイルである。既に本国における生産は終了しているから、マニアックな人気を集めていくことは間違いない。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

実用性よりスタイリングを重視

アルファロメオ

日本には2006年に登場したジウジアーロデザインによる2+2シータークーペ。現在、2.2JTSセレスピードTI(515万円)と限定モデルの3.2JTS Qトロニック イタリア インディペンデント(630万円)のみが販売されている

アルファロメオブレラ

2010年に世界限定900台の特別仕様車として登場した、イタリア インディペンデント。最高出力260psの3.2リッターエンジンに6AT(Qトロニック)を組み合わせとなる

見栄えが大事。人もクルマも同じ。だいたい、第一印象で“好き嫌い”を決めてしまうものだ。

だったらもっとたくさん個性的なデザインのクルマがあっても良さそうなものだけれども、標準レベルの機能性をたもちつつ、ある程度の販売台数を見込むためには、そこに自ずとデザイン上の妥協が生まれてしまう。カーデザイナーの描くスケッチは素晴らしく格好いいのに、決してそのまま市販されることがないわけは、そういうことだった。

だから、ブレラのようにデザインコンシャスなモデルは珍しい。コンセプトカーからデザイン上の妥協はほとんど見受けられず、ほぼそのままのカタチで出現した(中身やドアの開き方は違ったけれど、それは販価の問題だ)。

アルファロメオブレラ

TIにはレッドステッチの入ったスポーツレザーシートなど、スポーティな内外装が備わる。ラゲッジ容量は300~600リッター

それゆえ、発表から5年たった今でも、その見栄えは新鮮かつ衝撃的。流通している台数の少なさも手伝って、なかなか“古く”ならないスタイルである。

スタイリストは、巨匠ジウジアーロ率いるイタルデザイン。今やVW傘下だから、今後、彼らの手になるアルファロメオが登場する可能性は低い(まことしやかに噂されているように、VWがもしアルファロメオを買ってしまったら、また別の話だが)。イタリアンカロッチェリアによる珠玉のデザインクーペ。もう既に本国における生産は終了しているから、今後、マニアックな人気を集めていくことは間違いない。

アルファロメオブレラ

2.2JTSセレスピードTIは最高出力185ps/最大トルク230Nmの2.2リッターにシーケンシャルトランスミッションのセレスピードを組み合わせる

デザインのクルマだから、実用性では同じアルファのGTに劣る。幅が広いうえに、後席が狭い。けれども、そんな犠牲が素晴らしいスタイルを生んだと思えば、刀瑕も勲章というやつだ。何か洒落た、飽きの来ないクルマと長く付き合いたい、と思っている人にオススメの1台である。
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