ラグジュアリーブランドなランチア

ランチアデルタ
3月のジュネーブショーで登場したハッチバックモデル、デルタ。デザインは社内で行われた

フィアット首脳陣はこう明言した。ランチアとアルファロメオの関係は、マセラティとフェラーリのそれに似ている、と。なるほど、そうであればスポーツ=アルファロメオでのレース活動と、ファッション中心のブランドマーケティングを行うラグジュアリー=ランチア、という現在の位置付けがよく理解できる。

何を言いたいかというと、来年、日本市場へ再びランチアが正規輸入される見込みで、その初っ端が今回紹介するデルタになるわけだが、“ランチアデルタ”という名前に最早、過去のラリーイメージを被せてはいけない、ということ。初代ランチアデルタといえば、言ってみればランエボ&インプの先祖のようなモデルで、今なおマニアックな人気を集めている。日本におけるイメージは、デルタ=インテグラーレ=ラリーカーで、それ以上でも以下でもない。だから3代目デルタにもその面影を追ってしまいそうになるが、それは徒労ですよ、ということ。

ランチアデルタ
全長4500mm×全幅1800mm×全高1500mmとCセグメントモデルとしては大柄なサイズ

では、今のランチアとはいったいどんなブランドか、という質問に対する答が冒頭のフレーズであった。新型デルタについて、簡単に紹介しておく。

ベースはフィアット系Cセグメント用プラットフォームで、現在、フィアットブラーバが使用しているもの。ただし、ボディサイズはCセグの範疇で語れないほど大きい。全長は4.5mを超え、幅も1.8m、ホイールベースに至っては2.7mである。これはBMW3シリーズとほぼ同じというディメンジョンで、デルタというクルマがC&Dセグのいいとこ取りであることを示すものだ。後発故の工夫と見るべきか。

CセグだけれどもDセグの余裕でラグジュアリー、とくればターゲット層は高級車や大型車からのダウンサイジング組である。いきなりコンパクトカーには行けないけれども、でかいクルマには乗ってられないと考える層は意外に多い。彼らに対する提案であって、Cセグにおけるサイズだけをあげつらって巨大だと批判するのは的外れだろう。

それにしても、アクの強い、個性的なルックスである。ホイールベースの長さがこのクルマをハッチバックというよりもステーションワゴンっぽく見せている。日本人にはシャコタンのムラーノに見えるかも知れない。クロームのあしらいなどはさすがに上手い。

ランチアデルタ
シート素材にはアルカンターラやポルトローナフラウ製レザーなどが用意される

インテリアには、'90年代までの(つまり以前、オートザムによって正規輸入されていた頃の)ランチアのような“落ち着いた上品さ”ではなく、個性的なデザインとモダンなあしらいが目立つラグジュアリーさだ。ポルトラナフラウのフルレザー仕様の用意などもある。個人的にはちょっと下世話過ぎて高貴さが足らないように思うが、これはこれで評判上々らしい。

ランチアデルタの走りは次ページ