VW(フォルクスワーゲン)/パサート

“ツウな選択”に磨きをかけたパサートCC(3ページ目)

まるでクーペモデルのように背が低い4ドアサルーン、パサートCCが登場しました。日本人には馴染みのある(?)この新しいセダンスタイルに、ミュンヘン郊外で試乗しました。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

よりスポーティにダイレクトにダイナミックに

VWパサートCC
ダンピング力を自動制御する電子制御シャシーコントロールシステムDDC(Dynamic Drive Control)を装備。車線を逸脱しないようにシステムがステアリング操作を助けるレーンアシストも採用

エンジンを掛けてまず気付くのが、メーター文字が見慣れたブルーバックライトではなく白の自光式に改められた点。独特なVW流の雰囲気が薄れた反面、圧倒的に見やすい。これは正にフェートンからの流れだという。併せて、ちょっとベントレーコンチネンタルGT風だったメーターパネルデザインも、大きな円形メーターの間に大きめのマルチファンクションディスプレイを置くという、ごくフツウのレイアウトとされた。ファンクション内文字も赤から白に変わっている。このあたり、視認性はいいがスペシャル感はかえって落ちたように思える。

走りはといえば、パサートの味付けをよりスポーティに、よりダイレクトに、よりダイナミックに進化させたもの。ディメンジョンとエンジン+パワートレインの変化分だけ、定評のあるパサートの走りに磨きがかかった。

惜しむらくは、それゆえステアリングフィールやアクセルレスポンスがやや唐突で、ちょっとせわしない。エンジンも思ったほどパワフルさを感じず、フィールそのものも“快い”というレベルには達していなかった。もっとも、そうなったからといってVWらしいか、と問われると答に窮してしまうのだが。

個人的には、ディーゼルとガソリンの両4気筒モデルの印象が良かった。派手な先進装備をもたないグレードの方が、日本におけるニッチでツウなパサートの上級モデルらしくて好感がもてる。未試乗のハイパワー版4気筒モデルならば、そんな印象がさらに強くなることだろう。

VWパサートCC
フロントマスクやテールランプは専用デザインとされている
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