輸入車/注目の輸入車試乗レポート

スポーツカー黄金時代よ、もう一度!(5ページ目)

約20年前、世の中がバブル景気に踊っていた頃、日本の自動車メーカーは、とくにスポーツカーの分野において、ひとつの黄金期を迎えていた。当時、多くの若者を魅了したスポーツカーの数々を、今あらためて振り返る。

岡本 幸一郎

執筆者:岡本 幸一郎

車ガイド

世界が驚いた日本のスーパースポーツ

NSX
デビュー当初は「ブラックキャノピー」を意識し、ルーフがブラックにペイントされていたNSX。価格800万3000円~860万3000円

この時代のスポーツカーは、NSXを抜きには語れません。800万円オーバーという価格に当時は唖然としたものです。このクルマの本当の価値と、崇高なコンセプトをようやく理解できたのは、自動車メディアの世界に入ってからのことでした。

GTO
スタリオンの後継、三菱GTO。価格333万5000円~398万5000円
アルシオーネSVX
戦闘機のキャノピーのようなキャビンを持つアルシオーネSVX。デザインはあのジウジアーロ。価格316万6000円~331万8000円

バブル期だったからこそ生まれたといえるクルマもあります。スタリオンの後継である三菱GTO(1990年10月~)や、やや遅れて登場したスバル・アルシオーネSVX(1991年9月~)など。その後にランサーエボリューションvsインプレッサWRX STIという戦いを繰り広げる両社は、このとき独自のスペシャリティクーペを世に送り出していました。ところが結局、あまり名声を得ることなく、いずれもひっそりと消滅してしまったわけですが……。

という感じの、バブル期のスポーツカー事情。かつてこれほどスポーツカーに恵まれた時代はなかったし、今後もあるかどうかわかりませんが、とにかくエキサイティングな時代でした。

スポーツカーの人気が高まる時期は、景気がよくて、世の中がファンな方向に進んでいるときだと思います。今回のGT-R復活を機に、スポーツカー黄金時代が再来することを願わずにいられません。
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