カーメンテナンス/便利なカー用品

バッテリーの劣化を抑える驚きのアイテム(2ページ目)

3~4年使ったら、交換が必要な消耗品と考えている人も多いバッテリーですが、劣化の原因を取り除くことによって、その寿命を大幅に伸ばすことができるというのです。今回はそんな注目のメンテグッズを取り上げます。

執筆者:宮島 小次郎

50Ah以上の高性能バッテリーに特に効果的

パワーパルス装着例
パワーパルスの装着は、とても簡単だ。本体もコンパクトなので、エンジンルーム内での設置も容易だ
パワーパルスの装着は、いたって簡単です。パワーパルス本体から出ている2本のコードを、それぞれバッテリーのプラスとマイナスのターミナルに接続します。あとは本体を両面テープなどで、バッテリーの近くに固定すればOKです。しっかりと配線されて、動作しているかどうかは、本体横に設置されたLEDの点滅で確認できます。後は普通に運転しているだけで、自動的にパルスを発生し、サルフェーションを除去していってくれます。

バッテリーのターミナルに何やら黒いボックスを付けるだけというと、ちょっとオカルトめいた印象もありますが、パルスによるサルフェーション分解は再生バッテリーを取り扱う専門業者でも行われている作業です。もちろん、プロが使うのはもっと本格的な機材ですが、こちらはそのコンパクト版と考えればいいでしょう。

テスター
電圧だけでなく、CCAの計測も可能な特殊なテスターを使って、パワーパルスの効果をテストした
今回は、このパワーパルスを2台のクルマに装着してテストを行ってみました。テストしたバッテリーは、いずれも70Ah以上、CCA680(CCAとはコールドクランキングアンペアの略で、バッテリーの容量の目安となる)と比較的大きめの容量を持つタイプで、装着後2年の比較的新しいものと装着から5年が経過したそろそろ交換時期と思われるものです。テストでは、パワーパルスの装着前に電圧とCCA値を計測、その後10日目と20日目にそれぞれ計測を行ってみました。その結果は、

■テスト・バッテリー1(2年使用/テスト前電圧:12.56V、CCA652)
 10日目:12.59V(CCA657) 20日目:12.65V(CCA661)
■テスト・バッテリー2(5年使用/テスト前電圧:12.33V、CCA412)
 10日目:12.35V(CCA425) 20日目:12.41V(CCA445)

といずれも電圧、CCA値ともに改善が見られました。ただし、電圧やCCAの測定値は、走行状況やエンジンを停止してから、計測するまでの時間によっても変わってくるものなので、あくまでもひとつの目安と考えた方がいいようです。そうした意味では、本当の効果を確認するためには、実際に長い期間使ってみる必要があるのかもしれません。

また、パワーパルスではどんなバッテリーでも再生できるというわけではない点に注意が必要です。サルフェーション以外の原因で劣化したバッテリー(前述の電極板劣化のような)では、当然いくらサルフェーションを分解しても、改善は見られません。では、そのあたりはどのように見極めればいいのでしょうか。

実はこれには明確な判断基準はありませんが、メーカーの説明によれば、内部の電極板に使用している鉛の量が多い、比較的高性能なバッテリーで、使用開始から2~3年以内のものであれば再生の可能性が高いということです。目安としては、50Ah以上の容量を持つ製品であれば、コスト的にもパワーパルスを使うメリットが大きいといえそうです(低価格なタイプであれば、新品に交換した方が早い?)。また、使い方としては、毎日通勤などで使うような使用状況に向いているようです。

レディパルスチャージャー
サルフェーション分解と充電を同時に行えるのが、レディパルスチャージャーだ
その他、完全に上がってしまったバッテリー向けに、充電機能も備えたレディパルスチャージャー(価格/2万6250円)という商品もラインナップされます。使用するためには、電源を取れる環境が必要になりますが、半年に一度くらいしか動かさない、というようなクルマのバッテリーメンテナンスとして有効だと思います。


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