スバル車の走りを変える! STIマジック!?

ワークスチューナー渾身のハンドリングパーツ、その正体とは？

STIのフレキシブルタワーバーは、見た目は通常のタワーバーと変わらないが、なんとバーの中央部で可動するようにジョイントがセットされている STIパフォーマンスパッケージ　価格／6万3000円～9万4500円　問／STI

スバル車オーナーならご存じだと思いますが、STIとはスバルのモータースポーツ活動やスポーツパーツの開発を手掛けるメーカー直系のチューニングメーカー、いわゆるワークスチューナーです。最近では、レガシィをベースとした『S402』やインプレッサWRX STIをベースとした『STI 20th ANNIVERSARY』など、限定販売のコンプリートカーを手掛け、その完成度の高い走りで注目されています。

今回紹介するのは、そんなコンプリートカー開発の過程で生み出された補強パーツのセット『 STIパフォーマンスパッケージ』です。STIからリリースされるということは、当然スバル車オンリーの適合となるわけですが、その発想があまりにも斬新なものでしたので、スバル車以外では実際に試すことはできませんが、ぜひ多くの人に知ってもらいたいと思い、ここで取り上げさせていただくことにしました。

フロア下にセットされるロアアームバーも、やはりその両端にジョイントがセットされる構造だ

パフォーマンスパッケージとは、フレキシブルタワーバーを中心としたボディ補強パーツのセットで、主にボディのフロントまわりに装着されるものです。こう聞くとちょっとチューニングに詳しい人なら、よくあるボディ補強の類ね、と早合点しがちですが、実はその考え方は従来のボディ補強とは全く異なります。

STIパフォーマンスパッケージには上記2点と合わせて、このフロントサポートキットがセットされる

その最も特徴的な構成パーツが、フレキシブルタワーバーです。通常タワーバーといえば、ボディの変形を抑える目的で左右のサスペンション取り付け部を強固な金属製のバーで繋ぐものですが、フレキシブルタワーバーでは、中央部にリンクボールタイプのジョイントが仕込まれ、この部分を中心にまさにフレキシブルに動く構造となっています。

私も実際に手にとって見てみましたが、こんなにフニャフニャ動くタワーバーを取りつけて、一体何が変わるのだろう？　と初めは全く理解できませんでした。そこで、論より証拠というわけで、まずはノーマル状態のレガシィ、インプレッサに試乗後、同じクルマにこのパフォーマンスパッケージを装着していただき、それぞれを乗り比べてみました。しかし、試乗から戻ってきたとき、乗る前よりもさらに謎は深まるばかりでした。「何でこんな動きになるんだろう？」と……。

次ページでは、実際に試乗したフィーリングをご紹介します