カーメンテナンス/車の点検ポイント

夏に向けたメンテナンス~冷却系編その2(3ページ目)

前回、冷却系メンテナンスの第一歩として、冷却水の定期的な交換を紹介しましたが、今回はDIYでも可能な手軽なメンテナンスとして、ラジエターキャップの交換やラジエターまわりの清掃方法について取り上げます。

執筆者:宮島 小次郎

冷却水交換時にはクーラントの種類にご注意

純正クーラント
クーラント交換時に最も確実なのは、純正クーラントを使うことです。特に欧州車では純正クーラントを使うことで、余計なトラブルも防ぐことができます
ところで、前回紹介しました冷却水交換についての補足ですが、実は最近(といってもすでに5~6年以上前からですが……)では一部の国産車に冷却水の交換サイクルを大幅に伸ばすことを可能にしたスーパークーラントが採用されています。現在ではトヨタとホンダがすでにそうした耐久性向上タイプのクーラントを採用しており、トヨタでは『スーパーロングライフクーラント』、ホンダでは『ウルトラeクーラント』と呼ばれています。

スーパークーラントの特徴は、推奨交換時期がトヨタでは初回が7年または16万km走行、2回目以降が4年または8万km走行。ホンダではなんと初回が11年または20万km走行、2回目以降でも6年または12万km走行と、従来の常識を打ち破る驚異的な耐久性を実現している点です。これは主に防錆剤などの添加剤を耐久性・耐熱性の高いタイプ変更したことによる効果です。

こうしたスーパークーラントを使用したクルマでは、冷却水の交換時にも工場出荷時と同じクーラントを使用する必要がありますので、注意が必要です。トヨタでは2002年以降の全車種、ホンダでは2000年以降のモデルに順次採用されていますので、該当するユーザーはクルマのマニュアルなどで、スーパークーラントの指定がないかを確認し、指定されている場合は交換時には必ずスーパークーラントを使用するようにしてください。

また従来のクーラントでも、アミン入りタイプとノンアミンタイプの2種類のクーラントがあります。アミンは亜硝酸と化合して発癌性の物質を生成することが指摘されているクーラント添加剤で、すでにヨーロッパではアミン入りのクーラントの使用が禁止されています。国産車でも近年は新車出荷時のクーラントは全てノンアミンタイプが採用されていますので、そうしたクルマではアミン入りのクーラントを混合してしまわないように注意が必要です。

アミン入りとノンアミンタイプを混合してしまうと、クーラントの性能が大きく低下してしまうことも考えられますので、自分で冷却水を追加する場合はもちろん、車検整備時などに冷却水を交換する際には、同じタイプのクーラントを使用するよう依頼すべきです。またもし、現在アミン入りのクーラントを使用している場合は、冷却水の交換時に一度冷却水経路内の水を全て入れ替え、ノンアミンタイプに変更することが望ましいでしょう。

市販クーラントでアミン入りかどうかを見極めるには、パッケージで確認する方法が確実です。ノンアミンタイプであれば、パッケージにその旨が記載されているはずですが、もし分かりにくい場合はショップの店員さんなどに確認してみてください。また自分のクルマが元からノンアミンタイプが使われているのかどうかを確かめるには、自動車ディーラーやメーカーのお客様相談室などに問い合わせてみてはいかがでしょう?
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