DIYでも可能な冷却系メンテナンス

ラジエターキャップの位置
ラジエターキャップは、少し前まではラジエター上部に取り付けられていることが多かったのですが、最近のモデルではエンジンルーム内に設置されたリザーブタンクにセットされていることが多いです
冷却系のメンテナンスとしては、冷却水の交換が第一というのは前回ご紹介したとおり。ただ、冷却水の交換はちょっと手間が掛かる上に、交換した冷却水の処理の問題などもあるので、なるべくなら整備工場などに頼みたい作業です。そこで今回は、もう少し手軽にDIYでも行える冷却系メンテナンスの方法を取り上げたいと思います。

まずは冷却水に関連した部分として、ラジエターキャップの状態にも気を配ってみてください。ラジエターキャップの内側には、スプリングで保持された弁が仕込まれており、これによって水温が上昇したときに冷却水を加圧する仕組みとなっています。では、冷却水を加圧するとはどういう意味なのでしょうか? 

冷却水は基本的には水ですから、普通の状態では当然、温度が上昇し90度に達すると沸騰してしまいます。沸騰すると、冷却水内に気泡が発生し、それがオーバーヒートを引き起こす要因となってしまいます。そのため、冷却水路内に予め圧を加えることで、沸点を上げ、オーバーヒートを防いでいるわけなのです(科学の授業で、標高の高いところでは水が90度よりも低い温度で沸騰することを習いましたよね? これはその逆というわけです)。

ちなみに一般的なエンジンの設定水温は約80~90度くらいで、最近のエンジンでは燃費や排ガス対策などの問題などから、設定温度は高めとなる傾向にあります。そのため、夏場にちょっと渋滞などに巻き込まれれば、あっと言う間に水温は90度を超えてしまうのです。

ラジエターキャップも定期的に交換

ラジエターキャップ
ラジエターキャップを外すには、反時計回りにキャップを回すだけです。キャップを開けるのは、くれぐれもエンジンが冷えているときに行ってください
そんな大切な役割を果たしているラジエターキャップですが、長い間使用を続けているうちに、当初の圧を掛けることができなくなったり、弁の部分が破損したり固着してしまうような不具合が発生します。もちろん、2~3万km走行くらいで、そのように劣化してしまうことは考えられませんが、予防的な意味合いを込めて考えると5年もしくは5万km走行毎くらいの交換が理想的だと思います。

というのも、ラジエターキャップの劣化というのは、バルブやパッキンの破損など、明らかな症状が出ている場合を除いては、なかなかその不具合を特定することが難しいからです。よく聞くチェック方法としては、キャップを外してバルブを押してみるというものがありますが、固着して全く動かないというのでない限り、なかなかこの方法で劣化を確認するのは難しいようです。それならば、トラブルが発生する前に早め早めに対策を打っておく方が確実です。ラジエターキャップ自体は、それほど高価なものではありませんし(車種にもよりますが2000~3000円ほど)、交換も簡単にできます。

また量販店などでは、キャップの圧力を高くしたハイプレッシャーキャップなるものも販売されているようですが、サーキット走行など特殊な場合を除いてはそうした特別なタイプは不要でしょう。圧を上げれば、単純に冷却水の沸点を上げることができるのですが、冷却水路内に掛かる圧力が上がることで水漏れなどの余計なトラブルが発生することも考えられるからです。

次ページではちょっとした作業でラジエターの性能を取り戻す方法をご紹介!