カーメンテナンス/車の点検ポイント

【基本メンテシリーズ】運転席からの点検方法 日常点検をやってみよう!PART1(2ページ目)

「日常点検」の点検内容は必要最低限。要領さえ飲み込んでしまえばビギナーでも簡単にチェックできるので、愛車の健康状態を判断するために1人でもキッチリ熟せるようになりたい。

執筆者:鈴木 伸一

●運転席からの点検方法
操作系が集中している運転席回りには、欠かすことができない点検ポイントが多数ある。そして、運転席に座るだけでも様々な情報を得ることができるのだ。ただし、「点検している」という意識をしっかり持つことが大切! トラブったときは音や震動、臭い、光などといったシグナルによって人間の五感に訴えてくるからだ。

例えば「カタカタ」、「ガチャガチャ」といった異音や「ガソリン臭」、「焦げ臭い」などの異臭。「回り方が重い」などといった感覚的なものだったりするわけ。そして、これらの前兆に気付いて、普段と「なにか違う」と感じられれば、大事に至る前に適切な処置を施すことも可能となるのだ。
とはいえ、正常なときにどうなっているかを知らなければ、これも無理! 普段から正常な状態を把握する努力も必要だ。各部がどうなっているか、常に意識して運転していれば自然に把握できるようになるので、今日から心がけたい。

ブレーキペダルの踏みしろ、効き具合
フートブレーキが正常な状態にあるときは、「ガチッ」とした確かな踏みごたえがある。これがもしも「フワフワ」した感じになったり、2~3回ポンピングしないと踏みご耐えが出ないなどといった状態になったら要注意! 放っておけばさらに悪化して「フニャッ」としたタッチになり、極端に効きが悪くなるからだ。

点検 エンジンを回した状態でブレーキペダルを踏んでみる。「ガチッ」とした踏みご耐えがあれば正常だが、もしも「フワフワ」した感触だったらトラブッている可能性大! また、踏み込んだときに床板とのすき間(踏み残りしろ)が充分あるかも確認する。通常80mm後で、これより極端に少なかったときは念のためプロに点検を依頼したい。



パーキングブレーキの引きしろ
4輪を均等に作動させる必要性から「油圧式」を採用しているフットブレーキは、基本的に調整は不要だ。ところが、駐車時に確実にクルマを止めておくことを求められる「パーキングブレーキ」は、ワイヤーケーブルで作動させている。このため、使用頻度に応じて伸びが発生し、「引きしろ」が増えてくる。つまり、定期的に点検・調整する必要があるのだ。

点検 レバーをいっぱいに戻した状態からゆっくり引いていき、 引き切れるまでに「カチッ」という作動音が5~6回(足踏み式の場合は3回くらい、Tレバー式は全引き代の70%くらい)から効き始めれば正常。その引き代が多すぎたり少なすぎたりしないか点検する。



エンジンのかかり具合、異音、加速
点検 すみやかに始動してスムーズに回転するか、始動時やアイドリング時に異音を発生しないか確認する。OKなら暖気し、充分暖まったならアイドリングがスムーズに続くか。徐々に加速したときにアクセルペダルに引っかかりがなく、エンストやノッキングを起こすことなくスムーズに回転するかチェックする。



ウインドウォッシャー液の噴射状態
ウインドウォッシャーの噴射ノズルはボンネット上に設置されているため、ワックスのカスが詰まりやすい。そして、噴射できてもワイパーの拭き取り範囲外に飛散することが…。適切なポイントに噴射できないと汚れ落ちが中止半端となり、余計に見にくくなってしまう。このため、日頃から注意しておくことが大切だ。

点検 ウォッシャー液を噴出させてみて、ワイパーの作動範囲内に噴射されるか確認する。なお、噴射位置はガラス下面から1/3および2/3の範囲内が適性で、飛びすぎたりブレードに当たるようなら調整が必要だ。



ワイパーの払拭状態
点検 ウォッシャー液を噴出させながらワイパーを作動させてみる。この際、低速および高速作動に切り替えてスムースに動くか、そしてガラス面に付着した水滴をきれいに拭き取れるかどうか確認する。なお、スジ状の拭き残しが多量に生じるようならブレードラバーが劣化している証拠。交換が必要だ。また、ブレードラバーが汚れていると拭き取り能力が低下してしまうので、定期的に汚れを拭き取るようにしたい。


PART2はエンジンルームの点検です
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