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ジュエリー・デザインのオスカーに、日本人5名が入賞 ゴールド・ヴァーテュオーシ賞

2002年6月10日、国際コンテスト《ゴールド・ヴァーテュオーシ》の授賞式が行われました。日本からは5名が入賞。ヘレナ・ボナム・カーターが身に着けた全34作品と、盛大なガラを速報します。

執筆者:本間 恵子

イタリアでは最大規模のジュエリー見本市《ヴィチェンツァオロ 2》。ここで、ゴールド・ジュエリーの国際デザイン・コンテスト《ゴールド・ヴァーテュオーシ》の入賞作品が発表されました。

ゴールドの世界的な広報機関、ワールド ゴールド カウンシルが後押しするこのコンテストは、デビアス(現ダイヤモンド・トレーディング・カンパニー)による《ダイヤモンド・インターナショナル賞》が中断されている今、最もグローバルで規模の大きい、ジュエリー界のオスカー賞といっても過言ではないでしょう。

2000年にスタートし、2年を経て今年第2回めが盛大に催された、ゴールドの祭典。今回は52カ国から5098のデザインがエントリーされました。選考委員は、ファッション・デザイナーのアルベルタ・フェレッティ、森英恵、ブルガリのデザイン・ディレクターであるルカ・バルトレスキら14名。厳しい選考を勝ち抜いた15カ国34作品のうち、5作品が日本からエントリーされたもので、日本勢のレベルの高さを見せつけました。

入賞作は、女優ヘレナ・ボナム・カーターが身に着け、ヴェネツィアにてファッション撮影。《ヴィチェンツァオロ 2》では全作品がパビリオン中央に展示され、34人の妖精のようなモデルたちが入賞作を身にまとってキャット・ウォークを行進するという、実に華やかなガラ・パーティも催されたのです。

極めてスタイリッシュに演出された《ゴールド・ヴァーテュオーシ》。しかし入賞作のほとんどは、まるでオブジェのようなジュエリーで、実用にはほど遠いものばかりでした。胸や肩を被うビブ・ネックレスや、マフラーのようなネックレス、ヘッドドレス、ビュスティエなど、目立ったのは「着る」タイプのジュエリー。服との調和を拒否するデザインです。いずれも立体感覚に優れたモダンな造形ではありましたが、ジュエリー・シーンのトレンドを揺るがせるものではなかったのが残念。ここから新しいトレンドやヒット商品が生まれるくらいの「シーンに及ぼす影響力」を期待していたのですが、いわゆるコンテスト向けの作品群に落ちついてしまったようです。

それでも、各スポンサーが腕を競い合った入賞作の宝飾技術は、実にすばらしいものでした。レース編みを思わせる繊細なメッシュ、しなやかに仕立てられた金の布地、生き生きと咲くリアルな花…。イタリア勢10名の大量入賞は、デザインの大胆さだけでなく、技術水準の高さにも勝因があったからでしょう。また、前回は2割ほど含まれていたホワイト・ゴールド製の作品が影をひそめ、ほぼすべての入賞作がイエロー・ゴールドになっていたのも、イエロー隆盛の今、注目すべきポイントでした。

それでは、2、3、4ページめで、入賞作全34作品の画像をお見せしましょう(重いのでご注意)。日本人受賞者の作品は3ページめ。5ページめでは、ガラ・パーティやファッション・ショーの様子をお伝えします。

 

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