2002年1月、イタリアのヴィチェンツァ市では《ヴィチェンツァ・オロ 1》が今年も開催されました。ここに集結するのは、1500を超えるジュエリーのマニュファクチャラー。そのほとんどが、イタリアの会社です。
ではこの《ヴィチェンツァ・オロ》はイタリアのローカルなフェアなのかというと、全くそんなことはありません。世界各国から数万人単位のバイヤーやジャーナリストが集まる、インターナショナルなビッグ・イベントなのです。会場には、イタリア語だけでなく英語やフランス語が飛び交い、アジア圏から来たバイヤーや、キッパ(帽子)を被ったユダヤ系のダイヤモンド商なども多く見受けられました。ただ、アメリカからの来場者はさすがに今回は少なかったようです。
では、ここで目にとまったジュエリーの傾向の中から、気になったものをご紹介しましょう。まずは、胸元のVゾーンをきれいに飾るペンダントから。
数年前に、日本では「Yチェーン」と呼ばれるペンダントが流行りました(正確にはラヴァリエール‐Lavalier‐と呼ぶべきスタイルです)。この時のペンダントの形が“Y”だとしたら、今回出てきているペンダントは、“T”に近い形をしています。鎖骨のあたりから長く垂れ下がるネックレスがあちこちのブースで見かけられ、それをさっそく身に着けてきている女性バイヤーたちも少なくありませんでした。
※写真をクリックすると、より大きな画像が見られます。
左:《アントニーニ》
“O”の形のパーツをつないだペンダント。
ほどよい立体感があり、細部にメリハリが感じられます。
お揃いのピアスは、フープが顔に並行に沿うように工夫されています。
右:《アントニーニ》
ジオメトリックなモチーフを取り入れたペンダント。
ニットの上から着けると、なかなかの存在感。
バングルやピンキー・リングの着けこなしにも注目してください。
左:《アントニーニ》
エメラルドのように見えるのは、ツァボライト(ガーネットの一種)。
屈折率が高く、キラキラと美しい輝きを放つビリジアンです。
このように、ちょっと通好みの色石を使うのもひとつのブームでした。
右:《キメント》
以前のYチェーンだと、交差部分がもっと下に来ていたはず。
今回は、ほとんど鎖骨くらいの位置から
長く垂れ下がるのが特徴です。
■お問い合わせは、
アントニーニ ジャパン 電話 03-3512-0565
キメント・ジャパンオフィス 電話 03-3237-3635。
この形は、実際に試してみると、胸のつまった服にも、大きく開いた服にもうまくフィットします。そこそこにボリュームもあるので、これを1つ着けただけで顔の表情がパッと明るくみえ、見逃せない効果を発揮してくれたのでした。
次のページでは、ゴールドをニットのように編み込んだネックレスをご紹介します。
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