ジュエリー/その他のジュエリー関連

イタリアレポート《VICENZA ORO 1》-4 2002年トレンド報告(2ページ目)

2002年の新作がずらりと並んだ《ヴィチェンツァ・オロ 1》。ここで目についたムーブメントの中から、日本でも流行りそうなもの、ファッションに取り入れていきたいものを厳選ピックアップ。

執筆者:本間 恵子

イタリアが得意としているのは、機械によるチェーン類の大量生産ですが、より温かな感じのするもの、職人の匠の技を駆使したものが注目を浴びる今、たいへんに細やかなメッシュ状のゴールドも、スポットライトを浴びていました。

メッシュのテクスチャーはこれまでよりも多様化していましたが、どれをとってもまるで本物の布のようなしなやかな手触りで、その技術力の高さには本当に驚かされます。今回は、ゴールドで編んだヘッドドレスやショールを身に着けた《カルガロ》のスタッフたちが会場内を練り歩いたりして、バイヤーたちも思わず目を見張っていました。

 


※写真をクリックすると、より大きな画像が見られます。

 

左:《カルガロ
手首にびっちりと編まれたゴールドのタイを巻き付けて。
フリンジのついたネックレスも、ゴージャス感たっぷり。
少し離れてみると、本当に黄金色の布地を巻いているように見えます。

中央:《オルランド・オルランディーニ
国際ジュエリー・コンテスト「ゴールド・ヴィルトゥオーシ2000」で
高い評価を受けたフィレンツェの工房。
中世の騎士の鎖帷子(くさりかたびら)からインスピレーションを受けた作品。
※新作の画像が到着しました。こちらからご覧ください。≫≫

右:《チェリン・レナート
インド綿のガーゼのようなタッチでくしゅくしゅっと編んだ
ホワイト・ゴールドに、マルチ・カラーの淡水真珠をプラス。
ファイン・ジュエリーのようなアクセサリーのような、不思議な存在感です。

最後に、健在ぶりをひたすら発揮していたのがクロス・ペンダント。《ダミアーニ》の記事でもお知らせしましたが、日本で流行っているようなゴシック調のデザインではなく、カジュアルなシーンで積極的に着けられそうなシンプルなもの、ファンタジックなものが目につきました。

 


※写真をクリックすると、より大きな画像が見られます。

 

左:《パスクワーレ・ブルーニ
ピンク・トルマリンを花のようにあしらった、大きなクロス。
左手に着けているのは、新作リング「スターズ」です。
首にぐるぐる巻きにした時計が、なにやら窮屈そうでしたが…。

右:《パスクワーレ・ブルーニ
新作「スターズ」コレクションのボリュミナスな指輪。
濃淡のブルー・サファイア、渋いコニャック・カラーのダイヤモンドがポイント。
淡いサファイアも、茶色のダイヤモンドも、ジュエリーに使われることは少ない宝石です。

■お問い合わせは、
パスクワーレ ブルーニ 帝国ホテル店 電話 03-3506-4730。

ところで、「日本ではアンティークのスタイルを模倣したアクセサリーが人気なんだけれど?」と、あるイタリア人デザイナーに訊ねたところ、「それって、日本の若い女性たちが本物のアンティーク・ジュエリーを知らないからなんじゃないの」と一笑されてしまいました。

確かに日本では、今のファッション・シーンの幻想的でふんわり甘いテイストに合わせるために、ヴィクトリア風やゴシック風のアクセサリーに人気が集まっています。これらのアンティーク調アクセサリーは、身に着ける側にとっては非常にとっつきやすく、かつ“わかりやすい”スタイルなのでしょう。

しかしヨーロッパでは、そんな“なんちゃってアンティーク”に飛びつくデザイナーやユーザーは少なく、もっと高度に巧妙なやり方で、時代の「今」の雰囲気を、エレガントに、そしてスマートに表現していたのでした。

 

 

 

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