ジョヴァンナは、1966年生まれ。ミラノの大学で造園を学び、建築家と結婚しましたが、両親の家業が宝石工房であったことからジュエリー・デザインに深い関心を持ち、両親を介して《ミキモト》と出会います。
「1992年のことだったわ。私は《ミキモト》を通じて、真珠という宝石の美しさを知り、心から感動したの。そして1997年から“ミラノ・コレクション”を作り始めた。日本でデザインされた《ミキモト》のジュエリーはキレイではあったけれど、私の目には、かなりオーソドックスに見えたわ。私は、真珠はもっと日常生活でアクティブに着けられるべきものだと思うのよ」。
《ミキモト》 |
長さを自由に調節できるラヴァリエール(Y形ペンダント)、ブレスとネックレスを1本につなげて長くすることのできるコンバーチブルなチェーンなど、1つのアイテムで何通りかの使い方を持つジュエリーが、彼女のデザインには多く見受けられました。確かにこれなら、日常のさまざまなシーンで活躍してくれそうです。
「ジュエリーをデザインするとき、私が気をつけていることは“真珠が主役”であること。台座となるゴールドが真珠を覆い隠したりしないように、どんな角度から見ても、いつも真珠がまん丸な形を現していられるように、工夫を凝らしているの。だからホラ、指輪だって何だって立て爪に覆われたりしてないでしょう」。
《ミキモト》 |
養殖真珠特有の、まん丸な形が生かされたジュエリー。ごくありふれたアイデアのように聞こえますが、彼女の作品を実際に見てみると、それがとても新鮮に感じられます。でも、これだけダイナミックで冒険的で、決まり事にとらわれることのないジュエリーをデザインするには、相当の度胸がいるはず。彼女にとって、日本のトップ・ジュエラー《ミキモト》の看板は重くはないのでしょうか。
「No。日本のブランドを背負っているという意識はないわ。《ミキモト》のブランド・ネームは、そのまま真珠のクォリティの高さを意味するもの。私の責任は、そのとびきりクォリティの高い真珠から、最大限の美しさを引き出すことにあるの。それが私に課せられた大きな仕事なのよ」。
自信に満ちたこのことば! ジョヴァンナは、自分のデザインが《ミキモト》の真珠をさらに美しく高めていることを確信しています。そして今回《ヴィチェンツァ・オロ 1》で発表された見事な新作は、どれも彼女のことばを確かに裏付けているのでした。
■お問い合わせは、
ミキモト 電話 03-5550-5678 へ。