2002年1月13日から20日まで、イタリアのヴィチェンツァ市で開催された《ヴィチェンツァ・オロ 1》。1500を超えるメーカーが一同に会する巨大な宝飾見本市で、ジュエリーに的を絞ったフェアとしては世界最大級と言ってよいでしょう。ヴィチェンツァといえば、16世紀の建築家アンドレア・パラディオによる作品が数多く保存されている、世界遺産の街として有名。しかし同時に、イタリアのジュエリー産業をになう街としても重要な役目を負っているのです。
年3回行われる《ヴィチェンツァ・オロ》のなかで、最も新作が多く出品されるのは、やはり年初の1月のフェア。広すぎるほどの会場の一角にある、大手がずらりと並んだハリウッド・ブースで、《ダミアーニ》のニュー・モデルを見ることができました。
《ダミアーニ》 |
フェア全体を通して、かなり目についたのがクロス・ペンダントの多さ。《ダミアーニ》も、2002年春の最新作として「サン・ロレンツォの十字架」をリリースしています。立体的なつくりのクロスに大小のダイヤモンドを散りばめたこのデザインは、8月10日の聖ラウレンティウス(ロレンツォ)の祝日に流れ星(ペルセウス座流星群)がよく見えることから、夜空を走るシューティング・スターのイメージで作られているとのこと。
それにしても、今この時代にクロス・ペンダントを打ち出すとは、何かスピリチュアルな意味があるのでしょうか。この質問を、クロスを身に着けたイタリア人女性たちに向けてみたところ、「No。難しい意味はないし、信仰心に燃えてるわけでもないわ。単に、おしゃれだから気に入ってるのよ」との答。
同時多発テロの影響で、盛り上がりは今イチとされた《ヴィチェンツァ・オロ 1》。困難な局面を迎えたジュエリー業界は、シンプルで飽きのこない女性にとっての永遠のモチーフ、別の言い方をすれば、どんなときでもよく売れる「クロス」に目をつけたようです。
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