猫の目・瞳孔の様子から気持ちを読み取ろう
今回は猫の生理的な目の動きだけでなく、猫の気持ちで変化する目のBEST5をお届けします。
BEST1 満足しているとき
猫が大好きな人のそばでくつろいでいるときは、満足げに目を細め、微笑むような表情を見せてくれます。猫の顔には筋肉が少ないので猫は表情に乏しい、などという人もいますが、猫が心の底から満足しているときにみせる表情は、誰にでもみせてくれるものではありません。どんなにいたずらをしても、わがままを言ってもこの顔が見られるのだったら何でもいうことを聞いてあげるわ、というメロメロになってしまう同居人も多いのでは?もしかしたら、人は自分の感情を猫に投影させて、そこに見えるものを猫の感情と混同しているのかもしれません。たとえそれが同居人の大きな勘違いであったとしても、猫はその表情でわたしたちの気持ちを癒してくれます。言葉では伝えられない「愛おしい」という感情は、人から猫だけでなく猫からも受け取ることができます。
BEST2 眠くなったとき
眠くなると猫の瞳は少し潤んで、たれ目に見えます。眠気が増すと瞬膜が目を覆いますが、それを知らずに見た人は白目をむいていると驚くかもしれません。瞬膜は、猫の目頭のまぶたの内側にある薄い膜で、第三のまぶたともいわれ、眼球を傷つけないようにガードする役目もします。まどろんでいるとき、眠っているとき、リラックスしているときに出る瞬膜は問題ありませんが、風邪を引いたり体調を崩したときは瞬膜が出たままになることがあります。起きて活動しているときにも瞬膜が戻らなかったら、何かしらの体調不良のサインかもしれませんので、獣医師に診せてください。
BEST3 興味を惹くものをみつけたとき
なにか興味を惹かれるものをみつけると、猫は音のする方に神経を集中し、身体を低くします。猫の目の水晶体は非常に大きいですが、ピントを合わせるために水晶体を動かす筋肉はかなり貧弱で、近くのものにピントを合わせるのが苦手です。興味を惹くものが動けば、脳の中に動きに反応する特定の神経細胞を持っている猫は、周りの風景をぼかして、その獲物のみにピントを合わせることができます。興味を惹くものが動くまで、猫の目はふくらんだり細くなったりして一生懸命ピントを合わせようと見つめ、音が出る方向に頭を動かして探します。
BEST4 不安や恐怖を覚えたとき
不安や恐怖、警戒心が強くなると左右の目の大きさが変わったり、上まぶたが下がって半開きになることがあります。初めての場所や知らない人や猫と対面したとき、緊張のあまり起きてしまうようです。すべての猫がこのような目になることはありませんが、一度緊張した時にこの目になると、何度も繰り返します。このような目になる猫は、もしかしたら幼い頃に風邪を引いて目を痛めたことがあるのかも知れません。BEST5 怒り・威嚇・興奮状態のとき
黒目がちになると可愛い表情と思いますが、この場合は相当怒っています
しかし光に関係なく、怒りやひどい恐怖で興奮状態になったり、相手を威嚇するときはアドレナリンが放出されて、明るいところでも瞳孔が開き黒目が大きくなります。明るい場所で猫が瞳をまん丸にしていたら、何かで興奮状態になっているときなので、近寄らず刺激しない方が無難です。
猫の目は、猫の顔の面積の割合からみると非常に大きく、少し突出しています。この目の形と小さめの鼻のおかげで、猫の視野は広く155~208.5度あり、左右の視野が重なる両眼視野は90~130度で、「もの」を立体的に見たり距離感をつかむ能力を使い獲物を狩ることに長けています。
猫の大きな目にはホコリやゴミが入りやすく、目の粘膜が直接外に出ているため、細菌やウイルスに感染するなどトラブルを起こしやすいです。猫に多い目の病気は、結膜炎や角膜炎、涙器の異常などがあります。もし猫の目にトラブルが見られたら、人間の目薬などは使わず早急に獣医師に診せてください。
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