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猫が耳を後ろに倒すのはなぜ? 耳から読み取る気持ち

猫の耳は、どんな感情の時にどういう動きをするのでしょう。呼びかけると少し耳を傾けてくれる猫。後ろに反る、ピクピク動かす、片耳だけ倒す……猫の耳は、その時々の気持ちで変化します。飼い主として、猫の耳の動きで感情を読み取ってあげましょう。

岩田 麻美子

執筆者:岩田 麻美子

ネコガイド

猫の耳から感情や気持ちを読み取ろう

何を考えているのかな? 猫の耳から考えてみましょう

何を考えているのかな? 猫の耳から考えてみましょう


猫の気持ちを読み取るときに、注目したいのが猫の耳の動きです。その時々の気持ちで猫の耳は様々に変化します。同時に目やヒゲの動きにも注目すると、もっと正しく猫の気持ちが理解できるでしょう。
<目次>
 

猫の五感の中で一番優れているのが聴覚

寝ていても耳で返事をしてくれます

寝ていても耳で返事をしてくれます

猫の耳はとても性能が良く、人間には聞こえない物音がキャッチできます。人に聞こえる可聴域(周波数の範囲)は12~20kHz(平均的には12~15KHz程度)、犬の40~47kHzに対し、猫は30~60kHzの高音を聞き取ることができ、猫の五感の中では聴覚が一番優れています。高音域に反応がよいのは、ネズミなどの鳴き声(高くてキーキー)、小動物や昆虫がカサカサ歩き回る音、子猫の声などが高い周波数を出すためではないかと考えられています。男性より女性の方が好きという猫が多いのは、もしかしたら女性の声の方が猫の好みに合うのかも知れません。

猫が自分の興味を引く音を聞き取ると、瞬時に耳が動きます。左右の耳を別々の方向に向けたり、前に傾けたりして、それが自分に危険な音かどうかの判断、そして音が出ている方向や距離までを「耳」で聞き取ることができるのです。

これだけ高性能の耳を持っているので、ブラウン管テレビの上で寝ていたりすると、大きな音が耳障りじゃないかしら?と心配されるかも知れませんが、そこは猫のこと。自分にとって興味のない音は、聞こえないふりができるんじゃないかな?と思います。
 

猫が耳を後ろに反ったり倒すのはなぜ? 耳でわかる猫の気持ち

このように高性能なパラボラアンテナのような猫の耳が、その時々の気持ちでどんな風に表現されるか、今回は猫の耳から気持ちを読み解いてみましょう。
 
  • 耳でお返事
    猫は大人になるとあまり熟睡しないといわれることがあります。時には地震が起きても全く感知せず寝っこけてる猫もいますが、同居人が呼びかけると片耳の先だけをヒクッと動かし、耳でお返事してくれます。呼ばれても、今はダラ~としていたい気分だから邪魔しないでねという意味です。シッポの先だけパタッとさせて返事する猫さんもいます。
     
  • 興味津々
    頭の高い部分で耳をピンと立て、じっと集中。なにかとても興味が引かれるものを発見し、それがなにか探ったり、次に何が起きるか期待している時です。
 
耳をピンと立てているのは集中している合図

耳をピンと立てているのは集中している合図

  • これは何ですか~?
    あまり嗅ぎなれていないもの、初めて見るものなどに遭遇した時は、耳を後ろに少し反らし気味にします。
     
  • 甘えに来ました~
    頭を撫でてもらう時、自分からこすりつけてくる時は、斜め後ろに耳を倒し、邪魔にならないように折りたたみます。
     
  • 注意信号
    耳がピクピク動いたり、左右にクルクルさせる時は少し神経質になって何かを探っている時。その音の正体がわかりにくかったり、それが自分に危害を及ぼすものか懸命に探っています。こんな時にヒゲが前を向き、口吻がふくらんでいたら、警戒信号が点滅しています。
     
  • 恐怖・警戒・イヤな時
    横真一文字に耳を寝かせたり、寝かせた耳を後ろに反らせたりしている時は、怖かったり、怯えていたり、なによりイヤでたまらない時です。何かに追いつめられたとき、敵意はないからこれ以上近づかないでという降参の時にもこのような耳になります。しつこくすると反撃されることもあるので、この耳になったら刺激しないのが一番です。
耳を寝かせて後ろにそらしているときは警戒中!

耳を寝かせて後ろにそらしているときは警戒中!(耳でわかる猫の気持ち:伏せ耳編
より)

また、怒りや恐怖で興奮している時は、瞳孔が丸く大きくなり、ヒゲがピンと広がったり、口吻がふくらんだりもします。この時に猫が自分の身体を大きく見せようと爪先だって毛を逆立てていると、かなり危険なサイン。なるべく目を合わさないようにし、そっと立ち去る方が無難です。

この他にも、猫それぞれによって、その時々によって耳は変幻自在に猫の気持ちを表します。耳が前に折れているスコティッシュフィールドや後ろに反っているアメリカンカールの耳も動きますが、普通の立ち耳猫に比べると動きは少ないです。

この他のボディランゲージでは、ちょっと怖い経験をした後とか、緊張を感じた時、失敗してばつが悪い時などは舌をペロッと出して口のまわりや手足を舐めたりします。あくびをして気分転換を図ったりすることもあります。

超高性能な耳を持っている猫なので、ひそひそ声で猫のうわさ話をしていると、寝ていると思った猫の耳がクルッと後ろを振り返るなんてこともあります。猫の耳が教えてくれる猫の気持ち、ちゃんと読み取ってあげてくださいね。

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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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