最初はハーネスとリードに慣らせましょう
最初はハーネスとリードに慣らせましょう
猫は犬と違って、一緒に外出するのに向いている動物ではありません。もし猫連れで外出しなければならないときは、どんなことに注意したらよいでしょう。

素質がある猫であれば、どのように育てればもっとお出かけ好きになってもらえるでしょう。ここでは猫と一緒に車や電車などで出かける際に気を付けたいこと、猫が快適に過ごせるコツをご紹介します。


猫を逃がさないように

猫を外に連れだしたとき、どんな拍子に猫が迷子になるかわかりません。キャリーケースに入れるのはもちろん、念のためハーネスやリードを付けたり、キャリーケースの前にインナーキャリーや洗濯ネットに入れるなどして、猫が逃げないようにしてください。猫が逃げてしまったら探し出すのは並大抵ではありませんし、家の中だけで生活している猫が外で生き延びるのは難しいです。猫を外に連れ出すときは、絶対に逃げられないように注意してください。


熱中症に注意

真冬でも好天で直射日光が当たると、閉めきった車中はかなりの高温になります。これが真夏だったら、たった数分のつもりでも車内の温度はあっという間に50度を超えてしまうことがあり大変危険。どんな状況であれ、猫を閉めきった車中に残すことはやめてください。特に短頭種(ペルシャやアメリカンショートヘアーなど)は、鼻が短いため、もともと呼吸が上手ではありません。また肥満気味の猫は皮下脂肪で体温が上昇しやすいし、子猫や高齢猫も体力がありませんので要注意です。

熱中症かと思われるほど、猫のハァハァが激しくなって意識がもうろうとしてきたら、まずは猫の体温を下げるために冷たい水をかける、風を当てるなど身体を冷やすことが先決です。猫の顔は横向きにし、気道が通るようにします。口の中にヨダレや泡がついていたらぬぐってあげてください。そして、猫の身体を冷やしながら早急に動物病院へ運んでください。

 

猫を車好きにする方法

車を好きになってほしい!

 

猫は住み慣れた環境が変わることを嫌がる動物ですが、中には外に出かけること、車での移動が全然苦にならず、むしろ楽しいと感じる猫もいます。もし家族が外出するときに一緒に連れて行きたいと思っているのであれば、大人になってからいきなり車に乗せるより、子猫のときから車に慣らせてみましょう。

お出かけ好き猫の素質を持つのは、基本的に物怖じしない好奇心旺盛な猫。少々の物音や、見知らぬ人がいきなり上から手を出しても平気でスリスリしたり、抱っこされても嫌がらない許容範囲の広い猫のことです。もともと猫は好奇心旺盛な動物ですが、警戒心が強かったり、恐がりな猫をお出かけ好きにすることはできないと諦めてください。

1.ハーネスとリードに慣らす
あなたの同居猫がこのような許容範囲の広い猫だったら、最初はハーネスとリードに慣らせます。リードを身体に巻き付けてしまうと危険です。リードを付けているときは絶対に目を離さないようにしてください。毎日何回かリードを付けて慣らしていきましょう。キャリーケースにも慣れさせるために、キャリーの中でご飯を食べさせたり、ドアを開けたまま中に毛布を敷きベッドとして使わせておきます。

2.外に出てみる
2回目のワクチンが済んだ生後3ヶ月以上になってから、徐々に外に馴らします。ハーネスとリードを付けて抱っこして家のまわりをゆっくり歩きます。もし猫が怖がって腕の中に潜り込もうとしたら、それ以上無理強いはしないでください。

3.車に乗せてみる
外に出してもあまり怖がらないようでしたら、次は車に乗ります。最初はエンジンをかけず車の中に慣らせます。

4.エンジンをかけてみる
車に乗ることに慣れたらエンジンをかけてみます。車は走らさず、エンジンの音や車の揺れに慣らせます。

5.車を走らせてみる
ここまで問題がなければ車を走らせてみます。もし同居人が運転者で他に同乗者がいない場合は、猫はキャリーバッグに入れます。同乗者がいる場合は、ハーネスとリードを付けた猫を抱っこしてもらっていてもよいでしょう。最初はいきなり長距離やスピードを上げず、軽めに町内を一周する程度にしましょう。

6.車酔いするかどうか
ハーネスもリードにも慣れて、外に連れ出しても怯えることなく、車の中も平気。ただ、もしかしたら車酔いする猫かもしれません。ここまでOKでも、もし車酔いする体質だったらそれ以上車に乗せるのは避けた方がよいでしょう。

こうしてお出かけに慣らせても、時間をあけてしまうとまた最初からやり直さなければならないことがあるので、お出かけ好きな猫でいてもらうためには最低でも月1回、外出する習慣を続けた方がよいでしょう。


猫と車でのお出かけする前の注意

車に酔いやすい人が苦手なのは、急発進・急カーブ・急ブレーキ。これは猫も同じです。猫が乗っているときはいつも以上に安全運転に気を付けて、「急」がつく運転はしないでください。

猫連れで外出の予定が決まったら、数日前から猫の体調をよく観察しておきましょう。また、キャリーバッグに慣らせるために、バッグの中で食事を摂らせたりして慣らせましょう。

車に乗る前は基本的に食事を抜いておいた方が無難ですが、中にはお腹がすくと車酔いする猫もいます。食事を摂らせるかどうかは、猫の様子を観察しながらにしてください。キャリーの中に空間があると、よけい神経質になる猫もいます。もしキャリーの隅っこで丸く固まってしまう猫であれば、バスタオルなどをキャリーに入れて、猫のまわりにあまり広い空間を作らない方がよいでしょう。

 

車中での注意

キャリーバッグには直射日光を当てず、風通しの良い場所をキープしてあげてください。移動のストレスに加え、狭いキャリーの中で猫の体温が上がってしまうことがあります。緊張や暑さのため口を開けてはぁはぁと息をしたり、鼻先に汗をかくこともあります。もしそのような状態が見られたら、エアコンの風が猫に直接当たらないように注意しながら、全体の温度が下がるよう工夫してください。夏場や気温が高い日のお出かけのときは、タオルで巻いた保冷剤をキャリーバッグの中に敷いてもよいでしょう。

■隠れ場所
車のドアや窓を開けるときは猫をキャリーバッグに閉じこめてから、というルールを徹底すれば、締め切った車中に猫を放してもよいでしょう。キャリーから出すときは、小さめの段ボール箱に猫が出入りできる丸い穴を開けて、猫の隠れ場所を用意してあげるとよいでしょう。もし運転者だけで猫と移動するときは、絶対に車中で猫を自由にしないでください。猫に気を取られて事故を起こしては困ります。

■ハーネスとリード
ドアや窓を開けるときは猫をキャリーに入れるというルールがあっても、猫に好き勝手いろんなところに行かれては困ります。特にドライバーの足元に潜り込んだりすると大変危険なので、車内で放すときはハーネスとリードを付けて猫が動ける範囲を制限しましょう。

■潜り込み防止
猫のことですからシートの下などの狭いところに潜り込んで、出てきたときはグリースの脂で悲惨な状態になってしまうかもしれません。猫がシートの下などに潜り込めないように、いらない布などで猫が入れないよう防いでおく方がよいでしょう。

■シートにカバー
猫はストレスを感じると、いつも以上に抜け毛がひどくなります。また、いつ何どき猫はパニックを起こし爪を出して車内を走り回るかわかりません。シートには、あらかじめカバーを掛けておきましょう。

■猫用トイレ
猫によっては、環境変化に順応できず丸1日以上トイレにも行かなくなる子もいます。でも、長距離・長時間移動する予定のときは、念のため車中に猫用のトイレを設置しましょう。

■水や食事
車酔いする子には水も食事も摂らせない方がよいですが、車が平気な猫であれば車中で水や食事を摂らせてください。緊張しきっている猫は、もし水を飲みたくても我慢することがあります。2~3時間に1回は車を止めてエンジンを切って少し休憩を取ると共に、そのときにシリンジを使って猫に水を飲ませましょう。シリンジとは、針のついていない注射器のことで、動物病院に相談すると分けてもらえます。10~20mlくらいのシリンジと水は忘れずに持って出かけましょう。シリンジで水を吸い上げて猫の口の横から少しずつ流し込みます。一度に大量に飲ませる必要はないので、猫が嫌がるようでしたら少しだけ、口が湿る程度でOKです。特に夏場など暑い時期の移動や、猫が興奮して、口でハァハァ息をした後などは休憩時間に水を含ませてあげてください。

■車酔いする猫
我が家には非常に車酔いがひどい猫がいます。はじめて車に乗せた生後3ヶ月頃、車の中でウンチをしました。そのときイヤな予感がした通り、成長すると車が動き始めた途端ダラダラとヨダレが流れ出して、何度も吐く、吐くものがなくなると何度もオシッコとウンチを……。車酔いすることがわかってから試したことは、まず獣医師による車酔い止めの薬の処方。全く効果なしでした。猫の気持ちを落ち着けることができるというフェイシャルホルモンも効果なし。次いで、抱っこして車の揺れが少ないようにしたらと思い、タオルでくるんで抱いていましたが、車中とわたしが語るも悲惨な状況に。現在はキャリーに入れて持ち上げただけで、ヨダレがダラダラ出るという条件反射が起きるようになってしまったので、車以前にキャリーにも入れられなくなってしまいました。

ここまでひどく車酔いする猫は少ないかというと、そうでもないようです。うちの猫のようにキャリーバッグにも入れられなくほどひどくなる前に、車に乗せての移動はやめた方が無難でしょう。

 

他の移動方法

車での移動以外に電車やバス、飛行機で移動することもあるかもしれません。電車やバスなどは基本的に予約なしで猫を持ち込むことができますが、キャリーバッグに入れることが原則です。車中で鳴いたりオシッコやウンチをした場合は、すぐに客席から移動して他の乗客の迷惑にならないよう注意してください。

■電車
JRでは、長さ70センチ以内で、タテ・ヨコ・高さの合計が90センチ程度のケースに入れたもので、ケースと動物を合わせた重さが10キロ以内のものであれば280円で持ち込めます(2017年9月現在)。詳しくはJRおでかけネットをご覧ください。そのほかの鉄道会社では若干規定が違うところがあるかもしれませんので、ご利用になる前にご確認ください。

■バス
キャリーバッグに入れ他の乗客の迷惑にならなければ基本的にはOKというところが多いようですが、事前にご利用バス会社にご確認ください。バス会社がOKでも、同じバスの利用者から苦情が出ると降ろされることもあるようなので、その場合は運転手さんの指示に従ってください。

■タクシー
キャリーバッグに入れ車中に出さなければOKのところが多いですが、乗車前に確認を取ってください。

■飛行機
飛行機会社によって規定が違いますが、搭乗する便名が決まったら猫を連れて行くことを事前に予約しておいた方が無難です。猫は専用の貨物室に預けることが原則で、機内には持ち込めません。手持ちのキャリーバッグが航空会社の規定に則しているかの確認も取っておいた方がよいでしょう。もし手持ちのキャリーが使えない場合は、航空会社のクレートを借りる必要があります。詳しくはANAのサービスを参考にしてください。

国際線に乗せるときには、行く先の国によって輸入検疫の必要があります。検疫については行き先の国の大使館や動物検疫所でご確認ください。国際線には機内に持ち込める枠が航空会社によって用意されていることがあるので、事前に飛行機会社にお問い合わせ・予約をしてください。


どんな場合でも猫が苦手とする移動をさせるのですから、猫を主体にどうすれば少しでもリラックスできるか考えて工夫して、決して無理をさせないでください。飼い主はひとりで留守番させると寂しがるだろうと思うかもしれませんが、猫にしてみたら住み慣れた環境にいる方が安心できるかもしれません。猫を連れての外出は、それぞれの猫の向き不向きを理解して行ってください。


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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。