家財保険について学びましょう!

火災保険には、家財保険と呼ばれるものがあります。自分の住まいにある家財一式に対して付帯する火災保険です。対象は、持家・賃貸いずれの場合も「所有している」家財です。火災などがあった場合、火はもちろんですが放水などで真っ先に駄目になる可能性があるのが家財です。落雷による家電製品やパソコンへの被害などもあります。

今回は、家財保険とは何か、家財保険の特徴や比較のポイント、注意点、保障額(保険金額)の設定などについて解説します。

家財保険は火災保険と違う?

家財保険は火災保険と違う?


家財保険って何?

家財保険とは一体どんな保険なのでしょうか。実は、家財保険という名前の保険商品があるわけではありません。例えば専用住宅であれば、火災保険をつける対象は建物と家財になります(賃貸物件であれば家財のみ)。このとき、家財を対象に付帯する火災保険契約を家財保険などと呼びます。

ちなみに家財というのは、いわゆる生活関連の動産全般です。TVやパソコン・冷蔵庫・洗濯機などのAV機器や家電、テーブルやタンス、洋服などです。家財保険などと呼ぶほうが分かりやすい面もあるので、このような表現を使う場合がありますが、実際には単純に、火災保険で家財を保険の対象にしたものということになります。

賃貸物件で、自分が建物を所有していない場合、建物の火災保険を契約することはできませんから、こうしたケースでは家財のみが保険対象になります。持家のケースでは、建物・家財のいずれも保険の対象とすることができます。

家財保険の補償額(保険金額)はいくらで設定する?

家財に火災保険を付帯する場合、気になるのことの一つが補償額(保険金額、契約金額のこと)ではないでしょうか。この家財の保険金額はどうやって決めるのでしょうか?正確な方法は、自宅にある家財すべてを確認(金額や個数)して評価します。しかし、実際に自分ですべてを確認するのは大変ですし、保険会社に確認してもらうのも時間がかかります。

実務的には、総務省の家計データなどをもとに、損保各社が世帯主の年齢や家族構成などから、目安になる金額を表にして作っています。保険会社によって多少ばらつきはありますが、例えば、以下のような設定になります(いずれも再調達価額)。
  • 独身:年齢問わず300万円程度
  • 夫婦2人:30歳で700万円・40歳で1200万円程度
  • 夫婦+子2人:30歳で900万円・40歳で1400万円程度

家財は、建物の保険金額よりも実態に合わせて柔軟に対応可能です。単純に、上記の数字を見てそんなにあるの?もしくは、予想より少ないと思ったかもしれません。しかし、上記の保険金額にする必要はなく、実態に即した形での調整は可能です。

家財保険を比較するポイントは?

ここまで解説してきたように、家財保険=家財を目的とした火災保険です。ですから各損保会社の家財を目的にした火災保険を比較するというのが正解です。各損害保険会社のHPなどを見ても、家財保険という名称では掲載されていません。各社の火災保険の商品の違いや保険料の違いなどを確認してみましょう。

家財保険の注意点(明記物件)

家財保険を考えるときに押さえておきたい注意点がいくつかあります。まずは持家・賃貸の共通事項から。家財は、家財一式(事業用の商品や設備什器などではない)の動産と言いましたが、これに該当しても対象にならないものがあります。

それは、1個または1組の価額が30万円超の貴金属、宝石、書画、骨董など明記物件と言われるものです。これらは家財の補償とは別に、明記物件として別枠で補償をつける必要があります。さらに明記物件は、その金額の根拠資料(例えば鑑定書など)が必要になりますので、これが用意できないと保険契約の引き受けが難しくなります。

ただし、各損保会社が独自で販売している最新の火災保険では、明記しなくても一定の金額までは自動的に補償するものもありますので、該当するものがあるようなら契約の際に確認しておきましょう。

家財保険の注意点(住宅ローン)

次は持家の方で、特に住宅ローンの残債がある人が家財保険を検討する場合です。最近は絶対ではなくなってきているようですが、住宅ローンを利用して住まいを購入した場合、火災保険に質権設定することがあります。

簡単にいうと、火災などで物件が全焼した場合、支払われる保険金の第1順位を金融機関などにして、融資の返済を優先させるものです。しかし、住宅ローンの残債が多い場合、保険金はほとんど残債に充当されますから、ローンがなくなるとともに住む家もなくなります。質権設定に関係なく借入の返済は必要ですから、事故や災害時にその後の生活の立て直しをどうするかの視点が必要です。

再び住まいを購入するか、賃貸にするかはそのときの判断ですが、いずれにしてもある程度まとまったお金が必要です。住宅ローンと関係のない家財に火災保険(家財保険)の加入があると、こうしたときに対処がしやすくなります。支払う保険料とのバランスはありますが、一考の余地ありです。

家財保険の注意点(賠償保険関係)

注意点の最後は賠償関係です。厳密に言えば、賠償関係の補償は持家賃貸問わずですが、今回のテーマが家財保険ですので、特に賃貸の部分の解説をします。賃貸物件で自分が火災の火元になった場合、大家さんに対しては、常に民法の債務不履行に伴う損害賠償義務が発生します。

これに対処するため、借家人賠償責任保険特約などを付帯させるケースが賃貸物件では一般的です。ですから不動産屋さんや大家さんから言われているケースは良いのですが、そうでない場合(あまりないはずですが)は自分できちんとこうした賠償関係の補償をつける必要があります。自分が火災を起こして数千万円単位の賠償責任を負ったら、保険なしでは普通の人は賄いきれないはずです。

また共同住宅などの場合、火災よりも事故が多いのが漏水です。上の階、下の階に住んでいる人それぞれが当事者になりますから話がややこしくなります。こうした日常生活の賠償責任を補償するのが、個人賠償責任保険(特約)です。ここについては持家も同様です。家財保険というと自分自身の所有物のみに目が向きがちですが、これらの損害賠償関係の補償は忘れないようにしておきましょう。

※損保各社の火災保険商品によって違いがある点はご留意ください。

【関連記事】
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。