どういう指導をすればいいのでしょうか。
ガイド
「小学校受験を考えていらっしゃるお母さまは、やはり、ちゃんと首やからだのある絵を描かせたいと思われると思うのですが、どういう指導をすればいいのでしょうか。」
内本先生
「あまり早い時期から、型にはまった絵を描く指導はせずに、どうしても必要なら半年ほど前から徐々に指導していくようにしていただきたいと思います。
自由に絵を描いていたお子さんが受験のための型にはまった絵の指導をされ、楽しく絵を描いていたことを否定されたと思い、全く絵が描けなくなってしまったケースもあります。
一つの目安として、年長児も半ばを過ぎると、自然とからだのある人間を描くようになってきますが、その時点でも、頭足人を描いているようでしたら、それは、絵を描く量が不足している可能性もあるかなと思います。
そうならないためには、最初にお話しましたように、子どもが描きたいと思った時にすぐ簡単に絵を描ける環境にしておくことが大切です。」
絵を描ける環境にしてしておくためには
ガイド
「そのために、家庭で心がけることがあれば教えていただけますか。」
内本先生
「立派な画用紙を準備する必要はありません。100円ショップなどで売られているらくがきノートや裏が白い広告を扱いやすいようにホッチキスでとめたものなどと、クーピーやクレパス、サインペンなどを取りやすいところに置いておきましょう。
クレパスやサインペンでは、家が汚れそうで心配というお母さまは、クーピーだけでもかまいません。長く続けることが大切ですので、お母さまも無理のない範囲で、準備していただければと思います。」
絵を描こうとしない子どもはどうすればいいのでしょうか
ガイド
「いつでもお絵描きができる環境にしていても、それでも絵を描こうとしないお子さんは、どうすればいいのでしょうか。」
内本先生
「そういうお子さんは、外で遊びたいなど他にしたいことがあるからです。そんなお子さんに、無理に絵を描かせようとしてもうまくいきません。そんなお子さんには、たとえば雨の日などに、以前ご紹介しました切り抜き工作などで、おかあさんが一緒に遊ぶことです。そういった創作活動が、絵を描くことへの入り口となってきます。
または、電車や虫などに興味があるお子さんには、電車や虫の絵を描くことで、絵を描くことの楽しさを知り、それが入り口となってくるでしょう。」
ガイド
「本を読むのが嫌いなお子さんに本を読ませるのも同じことですね。本が嫌いなお子さんにも、なんとしてでも推薦図書を読ませようとするのではなく、まず最初は、その子どもの興味のあることに関する本から入っていくのがいいと言われており、『サッカーの本なら読むのよ。』『電車の本なら難しいものでも読めるのです。』という話をよく耳にします。それが本を好きになる入り口となりますので、お絵描きも同じことなのですね。」
最後に、内本先生は、次のように締めくくられました。