アルゼンチンの治安はいい? 悪い?
安全といわれているブエノスアイレスも、時には犯罪にあうこともある 写真提供:メルコスール観光局
とはいえ、犯罪自体は日々行われているのが現状。とくに、2001年の経済ショック以降は貧富の差も激しくなり、犯罪率も増加していると聞きます。ちょっとした不注意で強盗やひったくりなどの犯罪に巻き込まれることもあるので、気を付けて行動すべきです。
また、麻薬の売人や売春の斡旋、ヤミ両替といったイリーガルな誘惑も少なからずあります。政治的なデモや集会なども行われることがあり、トラブルを避けるためにも興味本位で近付くのは控えましょう。
アルゼンチンの主な犯罪の手口
■スリ・置き引き・ひったくりアルゼンチンでよく聞く犯罪の多くは、これらの窃盗です。満員の地下鉄やバス、観光客が集まる大衆レストランやカフェ、人混みの多い観光地や駅などが、犯罪者の出没スポット。日本人観光客はターゲットとなりやすいので、財布などの貴重品や手荷物は肌身離さずしっかりと持っておくことが大事。人に預けたり、置きっぱなしでその場を離れるようなことは絶対にやめましょう。
■マスタード強盗
一時期非常に流行った手口の犯罪です。まず、何者かによってマスタードやケチャップのようなものをかけられます。すると親切な人が現れ、「服が汚れてますよ、拭いてあげましょう」などと声をかけてきます。でも、これらはすべて犯罪者の仲間。気がつくと何人かに囲まれて、財布や手荷物がいつの間にか消えているというもの。マスタード強盗に遭ってしまった際は、まず声をかけられた時点でおかしいと判断し、なるべくすぐにその場から遠く離れるようにしてください。
■その他の強盗
銀行やATMでお金をおろした直後に、ひとけのない通りで強盗にあうというパターンが多いようです。誰かに目を付けられていないか、周りを確かめてから行動しましょう。また、タクシー運転手の仲間が乗り込んでくるというタクシー強盗、ニセモノの警察手帳を持って近付き金品を要求するニセ警官強盗なんていうケースも稀にあります。
■麻薬・売春・ヤミ両替などの違法行為のあっせん
観光客目当てに違法行為を勧誘してくる場合があります。いずれも違法行為ですし、トラブルに巻き込まれる可能性も高いため、絶対に相手にしないようにしましょう。面白半分に話を聞いてしまうと、しつこく付きまとわれることもあるので、とにかく無視することです。
その他の治安上の注意
2001年の経済危機によって、アルゼンチンでは一気に不況が訪れました。そのため、現在は景気もよくなったことで減ったとはいえ、銀行や政府に対する抗議のためのデモや集会が行われることがよくあります。これらは当然犯罪ではありませんが、面白半分で見学したり写真を撮ったりしていると、ケンカなどのトラブルに巻き込まれることもあります。またデモ集団と警察が衝突し、死傷者が出るケースも稀にあります。いずれにせよ、なるべく近付かないようにしましょう。サッカー場も、場合によっては危険な場所となります。試合結果によってはファンの暴動が起きる場合がありますので、そういう気配を感じた場合は速やかに退避してください。ひどい場合には警察が出動して、催涙弾が撃ち込まれることもあります。また、ユニフォームなどを身につけていると、敵チームから絡まれることもありますので、スタジアムを出てからはチームカラーを身につけない方がいいでしょう。
ディスコやナイトクラブでもトラブルの報告が多々あります。大抵は、ドラッグの勧誘やケンカなど。夜遊び自体は特に問題ありませんが、雰囲気が悪くなりそうであれば早めに退散しましょう。