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後期高齢者支援金、国民健康保険への影響は?

平成20年年4月に導入された後期高齢者医療制度。その影響は国民健康保険制度にも及び、後期高齢者支援金分という名目で制度を支えています。その負担はどのくらい?

大沼 恵美子

執筆者:大沼 恵美子

貯蓄ガイド

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後期高齢者の保険料は10% 

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後期高齢者はこんなに支援されているんだ。知らなかった。

75歳以上の高齢者を対象にした「後期高齢者医療制度」が平成20年度に導入されました。その医療費は、税金(国:県:市長村=4:1:1)50%、現役世代(健康保険組合・協会けんぽ・公務員共済・国民健康保険の被保険者)の保険料40%、75歳以上の高齢者の保険料10%でまかなわれます。この現役世代が拠出する後期高齢者医療制度の保険料を「後期高齢者支援金(分)」といいます。

少子高齢・長寿社会の現在の日本は、現役世代が減少する一方で75歳以上の高齢者が増え続ける状況にあります。現役世代が負担する支援金(分)が今後も増えることは避けられないでしょう。


保険料率0.3%引き上げ

健康保険組合連合会が平成23年4月21日に発表した「平成23年度健保組合予算早期集計結果の概要」(1447組合中1315組合からの回答を元に、平成23年度分を推計したもの)は、下記の通りです。
  •  平成23年度は6090億円の経常赤字
  •  赤字組合は全組合の約9割
  •  保険料率を引き上げた組合は回答組合の約4割
  •  平均保険料率は7.926%(前年より0.291%アップ)
  •  75歳以上に対する拠出金(「老人保健拠出金」+「後期高齢者支援金」)の対保険料割合は10.18%増の22.1%
  •  組合数は前年度より15組合減少、うち11組合が解散
健康保険組合の「退職後~74歳等」と「75歳以上」に対する支援金や拠出金は、保険料収入の44.88%――約3割の組合は50%超――を占めてます。被保険者が納付した保険料の半分近くが高齢者のために使われるのです。健康保険組合はその重圧に苦み、その対策として、現役世代に対するサービスの削減や保険料率の引き上げ、組合を解散して協会けんぽに移行する、など被保険者にとって好ましくない方向に進まざるを得ない状況にあります。

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