老後にかかる生活費と貯蓄額の予想はどれくらい?

金融広報中央委員会「平成25年 家計の金融行動に関する世論調査(二人以上の世帯)」によると、「老後の生活費はこれくらいだろう」という予想額が世代間でかなり差があることがわかりました。一番高いのは20歳以上で41万円、一番低いのは30歳代で24万円。60歳代は実態に近い26万円です。

一方、「年金が支給される時までに準備しておきたい」と考える金融資産残高は、一番高いのが40歳代の2190万円、一番低いのは20歳代で1603万円です。

●老後のひと月当たり最低予想生活費
20歳代 41万円(20万円)
30歳代 24万円(22万円)
40歳代 25万円(28万円)
50歳代 25万円(25万円)
60歳代 26万円(27万円)

●年金支給時に最低準備しておく金融資産残高
20歳代 1603万円(1708万円)
30歳代 2070万円(2025万円) 
40歳代 2190万円(2390万円)
50歳代 2102万円(1972万円)
60歳代 2128万円(2004万円)

※いずれもカッコ内は平成24年の調査結果

生活費の実態は、平均で月4万~6万円の赤字

総務省「平成25年家計調査(家計収支)」によると、夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯(以下、高齢夫婦無職世帯)の1カ月の支出は約27万円(非消費支出を含む)です。それに対し、実収入は約21万円で、月6万円程度の赤字です。

世帯主が60歳以上、無職世帯の1カ月の家計収支は、実収入が約18万円、支出は約23万円で、月5万円強の赤字です。

世帯主が60歳以上、単身無職世帯の1カ月の家計収支は、実収入が約12万円、支出は約16万円で、月3万円強の赤字です。

●高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上)
実収入 21万4863円
消費支出 24万2598円   
非消費支出 2万9857円
→不足額 ▲5万7592円

●世帯主が60歳以上の無職世帯  
実収入 18万808円
消費支出 21万660円
非消費支出 2万3844円
→不足額 ▲5万3696円

●世帯主が60歳以上の単身(シングル)無職世帯
実収入 12万3308円
消費支出 14万4820円
非消費支出 1万2133円
→不足額 ▲3万3645円

60歳以上世帯の平均貯蓄額は2384万円、中央値は1578万円

冒頭で引用した「平成25年 家計の金融行動に関する世論調査」によると、30~50歳代は年金支給開始までに2100万円程度を準備したいと考えています。

世帯主が60歳以上の世帯の平均貯蓄額は2384万円(総務省「平成25年家計調査報告(貯蓄・負債編)」)。年金支給開始時に2000万円の貯蓄はクリアできそうに見えますが、実態に近い貯蓄額を表す中央値(※)は1578万円。目標の2100万円より約500万円も少ない額です。

ちなみに、世帯主が60歳以上の世帯で貯蓄残高が2000万円以上の世帯は、40.1%を占めています。

(※)調査対象世帯を保有額の多い(あるいは少ない)順に並べ、真ん中に位置する世帯の金額

老後の赤字を補うには、年金開始時までにいくら用意する?

生命保険文化センター「生活保障に関する調査(平成25年度)」によると、老後資金の使用開始年齢は平均で64.6歳。平成22年の調査より0.6歳遅くなっています。トップは65歳からで41.0%(平成22年は34.2%)、次いで60歳からの21.6%(同27.1%)です。

前出の高齢夫婦無職世帯の家計収支は、1か月あたり5万7592円(年間約69万円)の赤字です。60歳女性の平均余命は28.47年(厚生労働省「平成25年簡易生命表」より)ですので、仮に老後期間を30年とし、年69万円取り崩す場合、妻が60歳時点でいくらあればいいのでしょうか。

老後資金を運用しながら取り崩せば、少しゆとりが出る

年率1%で運用しながら毎年69万円取り崩すなら、老後資金の原資は約1780万円あればいいことになります。年金支給までに貯蓄したい金額として20歳代が想定している金額、1603万円が最も近いです。

40歳代が考える2190万円が準備できれば、年間約85万円(月約7万円)取り崩すことができますので、ちょっぴりゆとりのある老後を過ごすことができそうです。

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