毎月10万円貯蓄を実現するための「5つのステップ」をガイドが解説!
ガイド平野が家計相談をしていて、よくお客さまから頂く質問が「どのくらい貯蓄したらいいのですか? 」「他の方はどのくらい貯蓄をしているのですか?」というものです。なかなか聞けないお金の話だけに、他人の懐具合も気になるところです。そこで今回は、共働きの毎月の貯蓄について調べてみました。上手に貯蓄するための方法についても、お伝えします。
平成30年の金融資産の保有額は?
■金融資産の中央値は前年に比べてアップ!
金融広報中央委員会が毎年実施している「家計の金融行動に関する世論調査」(平成30年調査)によると、世帯人数が2人以上の世帯の金融資産(預貯金、有価証券等)の保有額の平均値は1,151万円、中央値(※)は450万円でした。平成29年調査では、平均値1,151万円、中央値380万円だったので、平均値は変わりませんが、中央値は増加しました。
(※)中央値とは、調査対象世帯を保有額の少ない順(あるいは多い順)に並べた時、中位(真ん中)に位置する世帯の金融資産保有額を表します。一部の高額金融資産保有者に平均値が引き上げられるのに対し、中央値は全世帯の平均像を表したものになります。
平成30年(特に前半)は、景気拡大を背景に国内企業の業績が向上し、給料やボーナスのアップによる家計収入の増加、株高による運用環境が好転したことなどが考えられます。給与やボーナスがアップした人も増えたので、中央値が上がったのでしょう。一方、貯蓄を取り崩して生活する高齢世帯も増加しているので、預貯金の額は減り、金融資産保有額合計は、前年比横ばいとなっています。
●関連コラム:1年の総決算!2人の貯金は多い?少ない?
金融広報中央委員会が毎年実施している「家計の金融行動に関する世論調査」(平成30年調査)によると、世帯人数が2人以上の世帯の金融資産(預貯金、有価証券等)の保有額の平均値は1,151万円、中央値(※)は450万円でした。平成29年調査では、平均値1,151万円、中央値380万円だったので、平均値は変わりませんが、中央値は増加しました。
(※)中央値とは、調査対象世帯を保有額の少ない順(あるいは多い順)に並べた時、中位(真ん中)に位置する世帯の金融資産保有額を表します。一部の高額金融資産保有者に平均値が引き上げられるのに対し、中央値は全世帯の平均像を表したものになります。
平成30年(特に前半)は、景気拡大を背景に国内企業の業績が向上し、給料やボーナスのアップによる家計収入の増加、株高による運用環境が好転したことなどが考えられます。給与やボーナスがアップした人も増えたので、中央値が上がったのでしょう。一方、貯蓄を取り崩して生活する高齢世帯も増加しているので、預貯金の額は減り、金融資産保有額合計は、前年比横ばいとなっています。
●関連コラム:1年の総決算!2人の貯金は多い?少ない?
共働きの貯蓄額は、いくらが平均?
それでは次に、共働きの貯蓄額について見てみましょう。総務省が実施している全国消費実態調査(平成26年)を参考に毎月の家計から貯蓄している金額を算出してみました。
●年間収入:世帯年収(夫婦の収入を合算)
●可処分所得:1カ月の実収入から税金・社会保険料等を控除したもの
●平均貯蓄率:可処分所得に対する貯蓄純増の割合
●貯蓄額:可処分所得×平均貯蓄率で算出
●貯蓄現在残:対象世帯の平均貯蓄残高
■DINKSなら20代・30代が貯め時!
DINKS(共働きで子どもがいない世帯)は、世帯主の年代別にまとめてみました。年齢が高くなるほど世帯年収も上昇しますが、貯蓄額も上昇するかというとそうではないようです。30代までは平均貯蓄率・貯蓄額ともに上昇しますが、40代になると平均貯蓄率、貯蓄額が一気に減少します。
これは、ある程度貯蓄もでき、先の見通しもできたので、貯蓄するペースを落とし、生活を楽しむというライフスタイルに移行していると推察できます。ところが、50代になると、平均貯蓄率、貯蓄額ともに上昇します。老後の生活資金を準備するために、貯蓄のペースを上げようという意識が働くのでしょう。
いずれにしても、結婚して子どものいない30歳未満・30歳代のうちは、貯め時と言えます。世帯年収にもよりますが、貯蓄率(毎月の可処分所得に占める貯蓄額)20%を最低ラインとして25%前後、毎月の貯蓄額10万円を目標にしたいものです。
特に30歳代のDINKSの場合、収入も増え自由に使えるお金が増えますが、安心しないで出産・子育て費用、住宅取得費用など今後の大きな出費に備えて、しっかり貯める時期と言えます。
●年間収入:世帯年収(夫婦の収入を合算)
●可処分所得:1カ月の実収入から税金・社会保険料等を控除したもの
●平均貯蓄率:可処分所得に対する貯蓄純増の割合
●貯蓄額:可処分所得×平均貯蓄率で算出
●貯蓄現在残:対象世帯の平均貯蓄残高
■DINKSなら20代・30代が貯め時!
DINKS(共働きで子どもがいない世帯)は、世帯主の年代別にまとめてみました。年齢が高くなるほど世帯年収も上昇しますが、貯蓄額も上昇するかというとそうではないようです。30代までは平均貯蓄率・貯蓄額ともに上昇しますが、40代になると平均貯蓄率、貯蓄額が一気に減少します。
これは、ある程度貯蓄もでき、先の見通しもできたので、貯蓄するペースを落とし、生活を楽しむというライフスタイルに移行していると推察できます。ところが、50代になると、平均貯蓄率、貯蓄額ともに上昇します。老後の生活資金を準備するために、貯蓄のペースを上げようという意識が働くのでしょう。
いずれにしても、結婚して子どものいない30歳未満・30歳代のうちは、貯め時と言えます。世帯年収にもよりますが、貯蓄率(毎月の可処分所得に占める貯蓄額)20%を最低ラインとして25%前後、毎月の貯蓄額10万円を目標にしたいものです。
特に30歳代のDINKSの場合、収入も増え自由に使えるお金が増えますが、安心しないで出産・子育て費用、住宅取得費用など今後の大きな出費に備えて、しっかり貯める時期と言えます。
■子どもが生まれたら、小・中学生までは貯める!
それでは、共働き夫婦で子どもが生まれた場合の毎月の貯蓄額は、どのようになるのでしょうか? 同じく、全国消費実態調査(平成26年)から、子どもの成長に合わせた毎月の貯蓄額をピックアップしてみました。
●共働き夫婦・子ども1人世帯の毎月の貯蓄額
DINKSと比べて、貯蓄額がかなり少なくなるのではないかと予想していたのですが、子どもが未就学と小・中学生の場合は、平均貯蓄率も18%前後で、貯蓄額も10万円に近い金額です。
小・中学校が公立であることを前提にすれば、毎月の貯蓄額10万円も決して無理な金額とはいえないかもしれません。子どもが高校、大学生と成長するにつれ、貯蓄額は減少し、家計の収支がギリギリになります。そう考えると、子どもが高校に進学するまでがしっかり貯める時期と言えそうです。
●子どもが2人になると貯蓄率は低下
次に子どもが1人ではなく、2人に増えた場合の毎月の貯蓄額を見てみましょう。子どもが1人の場合と2人の場合を比較すると、貯蓄率も低く、貯蓄額も少なくなります。やはり、子育て・教育費負担が重くなる分、毎月の家計の中から貯蓄をすることが難しくなってきます。
なぜか、長子が高校生の世帯では、子どもが1人の場合に比べて、平均貯蓄率、貯蓄額が大きくなっています。子どもが2人だと、まだまだ節約しなければという意識が働くのかもしれません。
いずれにせよ、子どもが高校生に進学するまではしっかり貯める時期であるというのは、子どもが1人の場合と同様です。長子が未就学や小・中学生の場合は毎月8万円、ボーナスを除いて年間100万円を貯蓄目標としたいところです。
■余裕のあるうちにしっかり貯めることが重要
全国消費実態調査から取り上げた平均貯蓄率や貯蓄額というのは、あくまでも全国平均なので、住む地域や暮らしぶりによってだいぶ変わってきます。
例えば、住宅ローンを抱えている人であれば、その分、貯蓄額も少なくなります。全国平均よりも少ないからといって、「自分たちは駄目だ……」「平均よりも貯金をしていないのか……」なんて決して思わないでください。
ただ、確実に言えることは、「共働きで家計に余裕があるからといって安心するのではなく、余裕があるうちにしっかり貯めること」が重要であるということです。住宅を購入する・しない、子どもを生む・生まないは人それぞれの人生です。
けれども、必要となった時にお金がなくて、それを諦めるというのでは、少し悲しい気がします。「あの時、しっかり貯めておけばよかった!」と後悔しないように、自分たちにとって貯め時はいつなのかをしっかり見極めましょう。
今が貯め時とわかったら、毎月10万円貯蓄を目標にしよう!
今が貯め時で、家計にも余裕があるはずなのだけど、なかなか貯蓄ができないという共働き夫婦の場合、とりあえず、毎月10万円貯蓄を目標にしてみましょう。
10万円なんて無理と思われる方は、まずはその半分の5万円を目標にしてみましょう。そして、目標金額を少しずつ上げて、10万円を目指してみましょう。目標を作らなければ、先には進みません。
10万円なんて無理と思われる方は、まずはその半分の5万円を目標にしてみましょう。そして、目標金額を少しずつ上げて、10万円を目指してみましょう。目標を作らなければ、先には進みません。
毎月貯蓄10万円を実現するための「5つのステップ」
毎月10万円貯蓄を目標に設定した場合、それをどのように実現していくかを5つのステップで解説します。5つのステップに関連して、具体的に実行するために参考になる記事を関連コラムとして掲載しましたので、併せて、そちらもご参照ください。
■2人の意識合わせ<Step 1>
毎月の貯蓄額10万円を目標としても、夫婦のうち1人だけがいくら頑張っても実現することができません。1人が節約してもう1人がムダ遣いをしていては、お互いの関係もギクシャクしてしまいます。
毎月貯蓄10万円を2人の共通の目標に設定して、お互いに協力し合えるような関係を作ることが大切です。相手側の理解が得られない場合は、住宅購入や子どもの教育費など、将来にかかるお金と現状の貯蓄状況を相手に伝え、感情的にならずに冷静に話し合うことから始めてみましょう。
●関連コラム:「貯まる」夫婦になるヒミツの合言葉
■現状の把握<Step 2>
毎月の家計の中から貯蓄をするためには、毎月の家計の現状を把握する必要があります。共働き夫婦の中にはお互いの正確な収入や貯蓄額もわからないというカップルもいますので、お互いの財産状況を公開することから始める必要があります。
そして、「収入」と「支出」、「資産」の状況を紙やパソコンなどを使って整理してみましょう。整理した情報は、家計を改善するための基礎データになります。
●関連コラム:家計の「見える化」で、安心マネープラン
■貯まる仕組みづくり<Step 3>
目標金額を貯蓄するためには、収入から貯蓄先取りで、残りを生活費などの支出に充てるのが鉄則です。頭ではそうはわかっていても、なかなか実現できないのが人間の弱いところです。
そこで、給料天引きで財形貯蓄(勤務先が制度を導入していれば)を始める、給与振込み口座から自動積み立てで預金するなど、強制的に貯蓄をしたり、貯蓄したものを取り崩したりしないようにする仕組み・体制づくりをする必要があります。
●関連コラム:共働きの家計管理のコツは「4つの口座」活用にあり!
■家計の見直し<Step 4>
今までよりも多く貯蓄をしようと思って、先取り貯蓄にした場合、使える生活費は前よりも当然少なくなるため、家計の(支出)見直しが必要になります。そこで、役に立つのが現状の把握<Step 2>で整理した、家計の支出状況です。
支出項目の中から、いらないもの、減らせるものを探していきます。普段の生活の中で減らせるものが見つからないという方は、家計の見直し4つの着眼点を参考にしながら、ゼロベース(「これから新たに支出が発生するとした場合、要る? 要らない?」という発想)で家計を見直してみてください。
●関連コラム:家計の見直しの4つの着眼点「ECRS」とは?
■実行と振り返り<Step 5>
貯蓄目標を設定し、2人の意識合わせを行い、現状の把握、仕組みづくり、家計の見直しを行ったら、いよいよ実行です。まずは1カ月チャレンジしてみましょう。1カ月の途中で進捗状況を確認することも大切です。
そして1カ月が経過したら、毎月貯蓄額10万円が達成できたかどうか確認します。もし達成できなかった場合は、なぜできなかったかを反省し、来月に達成できるための方法を考えます。このように1カ月ごとに目標が達成できたかどうか振り返り対策を練るということも重要です。
これを行わないと、達成できないまま、設定した目標も自然消滅してしまいます。安定して達成できるようになったら、目標を更に上げるなどの見直しを行います。
●関連コラム:2人で幸せになる「3つの資産運用シート」
今回は、毎月貯蓄額10万円を実現するためにという形で記事を書きましたが、貯蓄できる金額は、年収や家族構成、ライフスタイルによってさまざまです。いくらが適正という答えはなかなか見つかりません。
重要なことは、夫婦2人で目標となる貯蓄額を設定して、目標を達成するための行動をとることです。毎月貯蓄額○万円を実現するための「5つのステップ」を参考に、貯蓄目標を達成してください!
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