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出産手当金について厚労省に聞きました(2ページ目)

出産手当金に関するご質問が、非常に多く寄せられています。情報も混乱しているようです。大モトの厚生労働省に聞いてみました。

豊田 眞弓

執筆者:豊田 眞弓

教育費 ・ 奨学金ガイド

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急な変更の理由


豊田 それにしても、なぜこんなに急に変更することになったのですか? あと1年ほど先にしていただければ、周知ができたと思いますが。

担当官 急でしょうか?増額の話と一緒に1年前から新聞等で書かれていたと思います。

豊田 出産育児一時金の記事は目に入りましたが、出産手当金の方はあまりとりあげられる機会は少なかったように思います。サイトで対象者変更のコラムを書いたところ、多くの方から「知らなかった」という声が寄せられています。今でもそうです。

担当官 本当であれば、出産育児一時金の増額と同時に10月から変更することもできたのですが、むしろ伸ばして4月にしたのです。

豊田 少子化対策が強化される中で、なぜ今、この変更を行ったのですか。

担当官 そもそも制度自体、仕事を続ける女性の産休中の所得補償で、自発的に「もらってやめる」という方は対象ではなかったのです。最近は、制度の悪用が目立つようになってきたため、以前から原則どおりに戻そうといわれてきて、たまたま今年、実施することになっただけです。


「もらって辞める」は本来制度の悪用


豊田 制度の悪用だ、というのも理解できますが、それならなぜ、辞めて半年以内に出産した女性や任意継続の方も対象にしたのでしょう? 自発的にやめる女性が使いたくなるような制度だったのでは?

担当官 この制度ができた頃と労働環境が大きく変わったためですね。出産を理由にした解雇を禁じる法律も育休制度もなかった頃に作られた制度ですので、女性が産後も働くといっても解雇されても仕方がないことを勘案して、母体の保護や失業給付の意味合いで、退職後6ヵ月以内の出産や、任意継続による救済の仕組みが設けられていたのです。

今は法も整備され、妊娠・出産で解雇することは禁じられてますし、育休制度も作られました。そのため、以前から改正が検討され続けていたのです。

豊田 「もらってやめる」という考え方が、そもそも制度の悪用だということの意味はさらによく理解できました。ただ、大手企業以外、なかなか産後も働ける環境にないのが現実です。妊娠がわかると退職を勧められたり、前例がないと言われたり、他の理由をつけて辞めさせられたりすることもあるようです。
あるいは辞めないでいて、遠方へ転勤させられたという話もあります。現実の労働環境が整備されない中では、改正は早かったのでは?

担当官 労働の問題は労働の方で解決してもらうことであって、健保でつじつまを合わせるようなものではないと思います。

豊田 個人からすると、労働か健保かという区別はないのです。実質的に両輪がそろわないと、バランスは取れないと思います。

担当官 そこは健保ではどうにも・・・。

豊田 そうですよね。そこから先は政治の問題なんでしょうね。でも、出産手当金の改正の理由などについてもよく理解できました。今日のお話はできるだけきちんと皆さんに伝えたいと思います。ありがとうございました。


参照:
退職しても出産手当金をもらう法
注意!出産手当金の対象者が変わります
育児休業給付金の給付率がアップ
子育てママ&パパの意見を行政へ届けよう


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