子どもの教育費は「かかる」だけでなく「かけている」部分も多いといわれます。しかし、わが子の可能性を探るには、できる範囲で「よい教育」をさせてあげたいと思うのは親心です。できるだけ質も下げずに、理想に近い教育を実現するためのさまざまな方法を考えてみましょう。
<目次>
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習い事の節約
教育費だって節約できます
「ゴルフもさせてみたいし、サッカーも。あ、バレエや空手、ダンスもいいわね。そろばんや将棋は知能も上がるっていうし。最近はプログラムも大事よね。どこに才能があるかわからないし、可能性を探るにはいろいろさせてみたい」、その気持ち、親としてよくわかります。
しかし、たくさんの習い事に挑戦する「習い事ラッシュ」はいいことがありません。子どもにもストレスがかかり、能力を伸ばす前に嫌になってしまう子もいます。
実際、5つの習い事をしていた小1の子が、ある日突然、「いやだ、家にいたい」と大泣きをするのを見たこともあります。先生との相性など、他の要因もあったかもしれません。
親が「させる」習い事は1つにとどめ、子ども自身が「やりたい」と言い出したものをやらせてみてはどうでしょう。その子に必要なものならいずれ出会うはずでは?
節約という視点であれば、月謝以外に高額のお金がかかるものを避けるのも大事でしょう。別会場での発表会、検定試験、道具、水着・体操着などを把握しておいて、検討することも大事です。コスパでいうなら将棋最強説もあります。
塾代の節約
塾代の節約方法では、いくつか挙げられます。・親が教える(ドリルなど)
・通信講座を利用する
・オンライン講座を利用する
親が教えられるのは、小学生くらいまでかもしれません。感情的になってしまうと逆効果なので、他人に頼んだ方がいいと言う人もいます。教えるというより、学習習慣をつけることを目的と考え、ゆったり取り組むことが大事ではないでしょうか。
通信講座もオンライン講座も、基本は自分でやらなくてはならないので、最低限、自主学習ができることが前提です。大学受験を通信講座のみで乗り切った学生もいます。また、受験対策を学校でやってくれるような高校を選ぶのも一法でしょう。
語学塾や英会話塾の節約方法もいろいろあります。
・ラジオ講座・テレビ講座
・オンライン英会話
・スマホアプリ
・中学・高校などで英語サークルに入る
・留学生と友人になる
上手に利用すれば、英語塾に通わなくても語学を学ぶ機会はたくさんあります。
中高一貫校の学費の節約
私立中高一貫の対策塾も、基礎をマスターする小学5年生から通うという節約ワザもあるようです。さらに上級編だと、上に優秀なお子さんがいる場合、下の子が小5だけ塾に通ったあと、小6は狙っている学校の過去問を繰り返し解くだけなので上のお子さんや親が見てあげる、というケースも。年収600万円くらいのご家庭で、3兄弟を私立中高一貫校へ通わせた方を知っています。中高一貫校でも今は公立もあります。公立の一貫校を狙うのも1つの方法です。
また、私立中高一貫校の場合でも、ランクを少し下げて特待生を狙うのも手です。実際にどうしても中高一貫校へ行かせたいのに、経済的にゆとりがないという方で数名そうした選択をされた方もいます。ただし、ランクを下げて受験することに抵抗がないか、子どもとよく話し合うことも大事です。
制服やカバンは譲ってもらう
ママ仲間に、自分の子が入学するのと同じ学校の上級生または卒業生がいて、しかも体型が似ている場合、制服やカバン、ジャージ等をいただけないか聞いてみるといいでしょう。一式は新調しても、予備の分としてお下がりがもらえると、入学時の費用はだいぶ助かります。大学は国公立・自宅通学を目指す
図書館で自習するのも一法
「大学は国公立」「できれば自宅通学」というのは、高校になってから話すのでは遅く、中学や小学校時代からときどき話しておくようにしましょう。置き換えがきかない学部などを除いて、そのつもりでいると、中学・高校時代の心構えも違ってくると思います。
大学の授業料減免・特待生を狙う
私立大学の医学部を特待生で卒業し、「学費がかからなかった」と親を喜ばせた例もあります。優秀な子だけが利用できる制度ではありますが、医学部に限らず、特待生を狙うことは1つの方法でしょう。少子化で学生を集める目的で、大学独自の給付型奨学金や授業料減免制度等も充実する傾向があります。進路を選ぶ際には、どのような制度があるのかなども含めて確認してみるといいでしょう。
国も2020年度から、住民税非課税世帯やそれに準ずる世帯の学生に対して、授業料・入学金の減免と給付型奨学金の支給といった制度を導入しています。
奨学金を利用する
教育費を捻出できない、あるいは不足する場合、奨学金を利用するのも一法です。まず狙うのは、学校などで用意している返済不要の奨学金です。それには一定の成績を保つ必要があり、学生にもプレッシャーがかかりますが、それ自体は悪いことではないでしょう。
返済する必要がある貸与型の奨学金にも無利子のものと有利子のものがあり、成績がよいほど有利になります(一定の低所得世帯は成績要件なく無利子の貸与型を利用できます)。
貸与型の奨学金は、将来、子ども自身が返済する、子ども自身の借金です。高額の奨学金は負担ですので、重くなりすぎないよう注意しましょう。 ただし、子どもにも自覚を持ってもらうよう、奨学金の話も中学くらいからしておくことも大事。学費は親子で分担する考え方でいいでしょう。
短大や2部、専門学校へ
その他の方法として、短大や2部へ行くという方法もあります。あるいは、手に職を付けるため、専門学校を選択するのも一法です。受験のバーが下がるので、受験準備の費用も下げられます。短大は年数が短い分、学費が下げられます。また、家計が許す状況ができれば、卒業時に4大への編入を狙うこともできます。2部なら学費も抑えられ、しかも、昼間、働きながら大学に通うことができます。
専門学校で技術や資格を取るというのも1つの選択です。ただし、専門学校は私立大学並みに学費がかかります。
働いてから大学に行く
どうしても資金的に厳しい場合は、いったん仕事をして、子ども自身で資金を貯めて、再度キャンパスを目指す方法もあります。私も30代後半にリカレントしました。働きながら、ひとり親として子育てに追われながらの学生生活はてんやわんやで難聴にもなりましたが、今にしてみれば楽しかったです。同時期に元宮崎県知事の東国原英夫さんもキャンパスにいらしたようですが、まじめな学習態度は学生の間で有名でした。友人には、いったん社会に出て、自力で学費を貯めて短大に通って保育士の資格を取った人もいます。また、別の友人は、産後に看護学校に通って看護師の資格を取り、看護師として働き、さらに助産師の資格を取って助産師になる夢を実現しました。やりたいことや進みたい道がわかってから学ぶのも1つの方法です。
就職をしてから資格を取るために大学や専門学校を目指す際には、教育訓練給付金の「専門実践教育訓練」も役立ちます。ストレートな進学だけが選択肢ではありません。
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